固定概念を手放す思考法ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2010年07月17日 08時30分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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「無意識のルール」を書き換え、制限を外す

 これまで触れてきた情報が固定概念を形作っているのならば、自分の中にある「思考のプログラム」を書き換えることで、望む思考ができるようになる――。わたしはこう考えています。

「何がそう思わせるのか?」を考える

 自分を制限するようなネガティブで批判的な考えが生じた時は、無意識のルールに気付く絶好の機会です。「何が自分をネガティブに思わせるのか」を考えることで、「周囲の人の口癖だった」「テレビで言われていた」など、これまで触れてきた情報が根源になっていることが理解できるでしょう。

 固定観念の根源がすぐに分からなくても、「この考えはすべての人に当てはまるのか、当てはまらない人はいないのか」「具体的にはどんな人が該当するのか」などを考え、ネガティブな情報や考え方が自分にとって必要かを問い直してみるのもいいでしょう。

 著者自身もよく、「何がネガティブな考えを生じさせるのか」と考えています。答えが見つかるかどうかは場合によりますが、考えの根源を探ることで、自分を客観的にとらえ、考え方を変えるきっかけになっています。

触れる情報を選択する

 これまでに得た情報と考え方が関連付いているならば、触れる情報を意識的に選ぶことで、自分の望む方向に思考を向けられるようになります。ポジティブな思考は、普段からポジティブな情報を意識的に選択することで生まれます。

 著者は思考を前向きに切り替えるために、成果を出している人々の本を読んだり、音声を聞いたりしています。逆に、ネガティブで批判的な情報からは意識的に離れるようにしています。

 そうすると、徐々に成果となって現れてきました。会社に勤めていた6年前は、自分に特別な才能はないとたかをくくり、「起業や出版、講演などできるはずがない」と自分に制限を掛ける考え方ばかりしていました。ですが、ポジティブな情報を選択してくことで、「もしかしたら自分にもできるかもしれない」という考えが芽生え、今は起業し、本の出版や講演もこなしています。

 自分が望ましい方向に向かうための情報を選ぶことで、思考法が変わり、行動と成果が伴ってくる――。今までの経験則から導き出したわたしなりの答えです。


 とはいえ「自分の考え方を変えるのは難しい」という人も多いと思います。その気持ちは良く分かります。ですが、その「難しい」と思うこと自体も、実はわれわれの固定概念が生み出していることに気付いてください。

 無理に考え方を変える必要はありません。「何が難しいと思わせるのか」「これは、自分の制限になっていないか」といったことを自分に問い掛け、固定観念を作っている情報を分析し、必要のないものを1つずつ手放してみてください。

 そして、自分というコンピュータを望ましい方向へプログラムするように、必要な情報を選択し、触れてみましょう。そうして得た前向きな気持ちは、柔軟な思考を生み、あなた自身の可能性を最大限に広げてくれるのです。

著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。ビジネスコーチ、人財育成コンサルタント。自動車メーカー勤務、ソフトウェア開発エンジニア、同管理職を経て、現職。エンジニア時代に仕事の過大なプレッシャーを受け、仕事や自分の在り方を模索し始める。管理職となり、自分が辛かった経験から「どうしたら、ワクワク働ける職場が作れるのか?」と悩んだ末、コーチングや心理学を学ぶ。ちょっとした会話の工夫によって、周りの仲間が明るくなり、自分自身も変わっていくことを実感。その体験を基に、Webや新聞などで幅広い執筆活動を行っている。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』がある。Twitterのアカウントは「@takewave」。




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