公衆電話(の使い方)を知らない子どもたちオルタナブログ通信(3/4 ページ)

» 2010年07月30日 17時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

「出版権」とは何なのか?

 そもそも、出版権とは「出版に関する権利」というような緩い定義の言葉ではありません。日本の著作権法において明確に定められた権利です。

 「出版権」とは何なのか?:栗原潔のテクノロジー時評Ver2


 iPadの登場やKindleの存在から、電子書籍に脚光が当たっている。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」の黒Kindleを買ってみたでは、Kindleを使ってみた感想が述べられている。Twitter連携機能というのは知らなかった。しかし、日本においてはKindleのtwitter連係機能は「引用」として処理されるかで触れられたような懸念もあるようだ。

 そんな電子書籍関係のエントリーから今回筆者が注目したのは、栗原潔氏の「出版権」とは何なのか?だ。2010年は電子書籍元年とも言われ、これからどんどん電子書籍が登場してくると思われるが、すでに発売されている書籍の場合、この出版権が問題となってくる。

 著者の立場からすれば、上田修子氏「実践!SixDegree」の絶版本は自炊して電子書籍として販売できるのか?!にあるように、出版社都合で絶版となった著作を、自らの手で電子書籍化したいという思いもあるだろう。最近では、佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」の旦那がKindleを欲しがる訳は...で紹介されたように、電子書籍がハードカバーの販売冊数を上回った事例もあり、そのような思いが強くなっても当然だ。

 しかし栗原潔氏のエントリーによれば、日本の著作権法において明確に定められた権利として「出版権」が存在するという。

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の村上龍氏の決断に出版社は戦々恐々だそうだが、なぜすぐ印税の税率にばかり話がいくのか…では、作家の村上龍氏が、連載が終了した新作小説を、出版社ではなく電子書籍のみで販売することが取り上げられた。ただしコメントにあるように、出版社がまるでかかわらずに発表された作品ならともかく、出版社媒体で連載したものを出版社を通さずに電子書籍化というのはどうなのか――この場合、いわゆる「出版権」についてどのようなやり取りがあったのか、気になるところだ。

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