ミニブログを許可する中小企業は46%――コミュニケーションツールの利用実態

中小企業でどのようなコミュニケーションツールが使われているか――シマンテックが利用動向とセキュリティ意識の実態を調べた。

» 2010年08月20日 07時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 3割以上の中小企業がソーシャルメディアの利用を許可――シマンテックが8月18日に発表した中小企業のセキュリティ調査の結果では、コミュニケーションに利用されるシステムやサービスの利用動向とセキュリティ意識の実態が浮き彫りになった。

 調査では企業で使われるコミュニケーション手段として、電子メール、インスタントメッセンジャー(IM)、ブログ、SNS、コラボレーションツールの利用動向に注目している。特にブログやSNSといったソーシャルメディアツールの利用を認める傾向にあることが分かったという。

 ソーシャルメディアツールの利用では、企業が許可する割合が最も高いのがTwitterなどのミニブログで46%に上った。SNS(39%)やブログ(38%)が続く。一方、許可されていないものの従業員が個人利用する割合が高いのはSNS(59%)とブログ(51%)だった。SNSの中で企業が許可している割合が高いのがLinkedIn(46%)やFacebook(41%)。従業員が個人利用する割合が高いのがFacebook(61%)やMySpace(47%)となっている。

 ソーシャルメディアツールが利用される背景には、多くのサービスやツールが無料で利用でき、相手とやりとりした内容を記録として容易に残せる点が中小企業のメリットであるという。

ソーシャルメディアツールの利用状況

 電子メールの利用状況は、クライアント・サーバ型のメールシステムが76%で最多を占め、コンシューマー向けメールサービスは38%、SaaS型の企業向けメールサービスが30%だった。

 クライアント・サーバ型のメールシステムではMicrosoft Exchange(82%)、コンシューマー向けメールサービスではGmail(52%)やYahoo! Mail(45%)、SaaS型の企業向けメールサービスではGoogle Business Mail(45%)やCisco WebEx(35%)の利用が目立つ。

 IMでは、Windows Live Messenger(41%)やYahoo! Messenger(35%)、Google Talk(34%)の利用が多いことが分かった。コラボレーションツールでは、Microsoft SharePoint(71%)の利用が最多を占めた。

 過去1年にこれらのコミュニケーション手段で経験したセキュリティインシデントの件数は、SaaS型の企業向けサービスが137件で最も多く、以下はクライアント・サーバ型のメールシステム(121件)、IM(105件)、コンシューマー向けメールサービス(82件)などだった。

 セキュリティの脅威を強く意識するツールやサービスは、コンシューマー向けメールサービスやクライアント・サーバ型のメールシステム、SNSを挙げる企業が目立つ。また、セキュリティレベルが高いと感じるツールやサービスでは、SNSやミニブログを挙げていた。

 こうした傾向から、企業の多くは電子メールのセキュリティ対策を重視する傾向にあるという。だが、ソーシャルメディアツールに対するセキュリティ対策を重視する傾向も高まりつつあると、同社では分析している。

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