自分の頭の中から、電話番号の数字の羅列の記憶がなくなっていることに気づきます。自宅の電話番号や会社の電話番号は、さすがに記憶に留めていますが、ふとした瞬間や気を抜いた瞬間に、すぐに出てこない時があるのも事実です。携帯の電話帳って、既に自分自身の記憶領域の一つ。外部記憶装置になっていることに気づきます。
「奥さんや旦那さん、彼女に彼氏の携帯の電話番号を言えますか?」――川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の頭の中から電話番号が消えていく...の冒頭を読んだ時、はたと考えてしまった。たとえ身近な人でも、いつも電話している間柄であっても、「その人の電話番号を覚えているか?」と聞かれたら即答できない人が多いのではないだろうか。実は、筆者もその1人である。
一度、携帯電話がまったく動かなくなってしまったことがある。電源が切れてしまい、いくら電源ボタンを押しても反応がない。付属のUSBケーブルで充電を行っても反応がない。壊れてしまったか……。ここでギョッとしたのが、いろいろな電話番号が分からなくなってしまったことだ。
仕事の関係者ならば、PCのメールでやりとりをしているし、たいていはそこに電話番号もあるが、プライベートの関係者は携帯電話のアドレス帳にしか記録がない人もいる。
かつてPHSや携帯電話を持っていなかったころは、公衆電話から電話することが多かった。常にアドレス帳を持っていたし、かけなれた相手の電話番号は空で覚えていた。酔っぱらった時でも、間違えることなく電話をかけて会話したことがあったくらいだ。
それが携帯電話では――アドレス帳から名前を選択して発信するだけで、まったく番号を打たないため、すっかり忘れている。着信履歴や発信履歴、リダイヤルボタンだけでかけてしまうこともあるので、なおさらだ。自宅の番号や自分の携帯電話番号なども、ふとした瞬間に出てこないことがある。
「その電話帳がなくなってしまったら……携帯をなくしてしまったら……いつも簡単にかけていた相手に電話すらもかけらない状態になってしまう」と川上暁生氏は書いている。携帯電話が動かなくなった時の筆者は、まさにその状態だった。ちなみに筆者の携帯電話は、翌日ショップに赴き調べてもらった結果、UBSケーブルが断線して充電できなかっただけだった。ショップで充電してもらい、再びデータが確認できた時の嬉しさは忘れられない。
生活が便利になる一方で、失われていく物もある――果たして、読者はどう思われるだろうか。
以上、8月5〜11日にかけてオルタナティブ・ブログへ投稿されたエントリーの中から、筆者が気になったものを紹介させていただいた。本稿からオルタナティブ・ブログに興味を持たれたならば、ほかのエントリーにも目を通していただきたい。
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