まるで「優秀な部下」が増えたよう――クラウド導入で情シスの役割を変革させる経営者が語るクラウド活用術

健康保険や年金関連に特化した業務システム開発で知られるユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ。日々の障害対応に頭を悩ませていた同社では、ソニーのマネージドイントラネットを導入し、運用の負荷を大きく改善した。また、約60%ものコストを削減できたという。

» 2010年08月23日 10時00分 公開
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 健保・年金向け業務システムの開発および販売を手がけるユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ(以下、UBS)は、業種特化型のシステムインテグレーターである。設立以来9期目を迎え、「同業の中ではトップシェア」であると同社代表取締役の高橋重幸氏が紹介するまでにビジネスが成長した背景には、設立以来の“ユーザー重視”という同社の姿勢があるようだ。

ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ 高橋重幸 代表取締役

 UBS設立の中心となったのは、日本ユニシスで社会保険業界向け事業を推進していたメンバーだった。当時、ユーザーに提供する製品やサービスを改善するために、自分たちの部門に対する投資を求めていたというが、言うまでもなく日本ユニシスは巨大企業であり、特定の部門に集中して投資することは難しい。ユーザーに提供するサービスの品質をより高めるために高橋氏らが選択したのは、日本ユニシスからの独立だった。

 「独立時だけでなく、その後も、日本ユニシスとの関係は良好です。UBSの“U”も、ユニシスにあやかった、と言えないこともありません」と高橋氏は笑う。

 だが独立するということは、事業活動に必要なインフラも、自らまかなう必要があるということだ。しかも、今やUBSは、ビジネスの拡大にともない都内だけでなく大阪と名古屋にも拠点を構えるまでになっている。このような事情から、ITインフラの構築と運用には、悩みも多かったようだ。

 「本来注力すべき仕事ではないのに、必要に迫られ、障害対応やヘルプデスク業務をこなさなければならない。“手間がかかる”だけでなく、(業務に対する)モチベーションの維持すら難しいことがありました」と、システム本部アプリケーション開発部の久代丈太氏は当時を振り返る。

サーバリブートのため休日出勤していた実態

 設立以来一貫して、UBSはITインフラを自社で所有してきた。SI事業を核とするだけあり、久代氏をはじめITに知見のあるスタッフが多く、外注するよりも自社所有、自社運用というスタイルのほうが、コストメリットもあった。サーバOSとして主にLinuxを利用していたことも、コストセーブに寄与していたと言えるだろう。

 だがいつしか、業務におけるインターネット利用が社会全体で一般的になるとともに、さまざまな問題も顕在化してきた。例えば自社のメールサーバ、Webサーバなどに対する、外部からの攻撃だ。もちろん防御策は講じていたが、どうしてもネットワークには負荷が掛かってしまう。そしてトラフィックが許容範囲を越えると、障害が引き起こされ、リブートを迫られることが多かったという。「当時は朝起きると、まず自分宛にメールを送信し、ネットワークの死活を確認していました。たとえ休日でも、障害が発生しているようであれば出社し、対策を施したり、リブートしたりしていました」と久代氏は話す。

 とはいえ、既にメールもインターネットも業務の中心となるインフラだ。障害は寸分たりとも放置できない。それは東京だけでなく、大阪、名古屋の拠点も同じことであり、久代氏は拠点をまたいだ保守/ヘルプデスク作業をこなさなければならなかった。本来の業務も抱えてのことであり、精神的にも二律背反の状況におかれていたと言える。久代氏の負担は、大変なものであったことだろう。

 これには当時から経営側であった高橋氏も、「より高付加価値な業務に専念させるべき社員に、運用のオペレーションをさせてしまうことには、相当な問題意識を持っていました」と振り返る(高橋氏は2010年2月に代表取締役に就任)。

 だがある時、UBSはこの状況を解決する方法を見出すことになる。そのきっかけは、ひょんなことから訪れることになった。

“ITの自社所有”による問題を解決するためクラウドを検討

 UBSでは当初、東名阪の各拠点間でのビデオ会議導入のために回線の増強を検討していた。従来利用していた2メガの専用線を、帯域確保とランニングコストの観点から100メガの光回線へと移行することにしたのだ。並行して、かねてからの課題であった運用管理負荷を軽減できる施策も探していたが、当時ベンダーからなされた提案はコストに見合わないだけでなく大きな改善が期待できるものでもなかった。良い解決方法が見つからないまま、2009年の秋を迎えていた。

 「ちょうどそのタイミングで、当社が商談中のお客様よりあるベンダーを紹介されたのです」と高橋氏は話す。そのベンダーというのが、bit-driveブランドのもとに“マネージドイントラネット”を展開する、ソニービジネスソリューションであった。

 マネージドイントラネットの特徴としては、ITリソースはbit-driveのデータセンターに集約し、その上でメールサーバやWebサーバ、プロキシサーバなどを利用できることが挙げられる。いわゆるプライベートクラウド型のサービスであると言えよう。「(bit-drive担当者の)説明を聞いてすぐに、われわれが抱えている問題を解決できるサービスだと確信しました」と高橋氏は話す。

クラウドサービスではサポート品質が重要

ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ 久代丈太 氏

 高橋氏自らが中心となりITインフラのクラウド化を決めたのち、具体的な移行は久代氏とbit-driveが進めた。従来は社内に設置していたメール/Web/プロキシ/ログ管理の各サーバはマネージドイントラネットに集約し、加えてウイルスチェックやスパムチェック、Webフィルタリングをオプションアプリケーションとして利用することにした。「日々の障害対応が不要になったことに加え、パッチ管理から解放されたことも、大きな効果です」と久代氏は話す。

 東名阪の各拠点を一元管理できるようになったことに加え、サービスの稼働状況や回線の負荷をWebインタフェースで確認できるマネージメントツールの存在も、運用性改善に寄与している。「まるで、ITインフラの管理を完全に任せられる“優秀な部下”ができたような感覚です」(久代氏)。

 自身もサポートセンターでの勤務経験があるという久代氏はまた、bit-driveのサポート力を、高く評価しているという。「“買ったら終わり”となる自社所有型のIT調達とは違い、(毎月、支払いが発生する)マネージドイントラネットのようなクラウド型のサービスでは、日々のサポート品質が特に重要です。bit-driveのサポートスタッフは、問題が発生したときに、単に現象への対処をするだけでなく、できること、できないことを明確に切り分けて説明してくれます。“なぜこのようなことが起きるか”といった背景もフォローしてくれるので、サポートに納得感がありますね。わたしの経験に照らしても、ここまで満足できるサポートを行うのはなかなか難しいこと」と久代氏は評価する。

東名阪の事業所をセキュアに結ぶネットワークを一元管理。24時間365日のサポートも充実している

コストを約60%も削減し、サービス改善に投資

 高橋氏は、今回の取り組みによる運用コスト、回線コストの削減について、「単純に算定して約85%減です。削減したコストをサービスレベル改善のため投資した分もありますが、それを加味しても、約60%という削減効果が出ています」と評価する。さらに運用サポートにあてていた要員を、プロフィットセンター業務にシフトできた効果が特に大きいという。

 だが経営者としての高橋氏の戦略は、単なるコスト削減にはとどまらないようだ。

 「マネージドイントラネットの基盤上に、われわれの製品(健保業界向けアプリケーション)を乗せられるといいですね。これまではサーバ本体に自社製品を乗せて納入するケースが多かったのですが、われわれの持つ強みはハードや回線ではなく、自社開発したアプリケーションにこそあるのですから」と将来に期待を込める。

ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ株式会社

ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ株式会社

ユニバーサル・ビジネス・ソリューションズ株式会社

・所在地 東京都中央区日本橋堀留町2丁目4番3号 新堀留ビル4階

・設立 2002年5月

・事業内容 健保・年金向け業務システムの開発・販売・保守および関連する業務


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提供:ソニービジネスソリューション株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年9月5日