QlikTechが日本法人を設立、インメモリ型BIで攻勢

BIベンダの米QlikTechはこのたび日本法人を設立。日本市場に本格参入し、売り上げシェア拡大を目指す。

» 2010年09月14日 19時05分 公開
[伏見学,ITmedia]

 ビジネスインテリジェンス(BI)製品を提供する米QlikTechは9月14日、日本法人であるクリックテック・ジャパンを正式に設立したことを発表した。同日都内で開かれた事業説明会において、垣田正昭社長は「まだ日本市場での認知度は高くはないが、パートナーの強化とともに顧客数を倍々ゲームで増やしていきたい」と意気込みを語った。

クリックテック・ジャパンの垣田正昭社長 クリックテック・ジャパンの垣田正昭社長

 QlikTechは世界約100カ国で1万5000社以上の顧客を抱えるBIベンダ。主力であるBI製品「QlikView」は独自開発のインメモリ連想検索技術を採用しているため、中間データの「キューブ」(多次元データベースの格納単位)を作成することなく、膨大なデータを直接参照して高速なデータ分析が可能となる。従来型のBI製品と異なりIT部門が導入、運用段階でシステム定義することなく、一度データを取り込めばエンドユーザーが自由にデータ分析をしたり、追加開発をしたりできるのが特徴だ。

 この点にメリットを感じる企業は多く、日本でも既にNTTデータやアシックスをはじめ120社での導入実績があるが、垣田氏は「日本企業に対してはまだQlikViewおよび当社についての説明が不足している」という課題認識を示した。

 具体的な施策としては、約10人のスタッフ、4社の販売パートナー企業という現在の体制を強化して人員およびパートナー企業の拡充を図るとともに、「半年から1年スパンで顧客を倍々に増やしていきたい」と垣田氏は強調した。具体的な売り上げ目標については公表できないとしている。

 IT調査会社のIDCが2010年に発表した調査結果によると、グローバルでのBI市場において、既にBI製品を購入した企業は28%だが、実際に使用しているユーザーは1%に満たないという。QlikTechのレス・ボニー氏(エグゼクティブ バイス プレジデント兼グローバル営業統括責任者)は「(BI市場において)72%の企業がBI製品の非ユーザーであり、当社の成長機会は大きく広がっている」と力を込めた。

変更履歴:本文で、「1万5000社以上の顧客」とすべきところを「1500社以上の顧客」と表記していました。お詫びして訂正いたします。[2010/09/15 11:20]

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