GoogleはTwitterを買収するべきだ――しないだろうが(1/2 ページ)

GoogleはFacebookに対抗するために、Twitterを買収する必要があると一部の専門家は主張している。しかし、GoogleはTwitterなしでも成功しており、買収は不要だとの見方も。

» 2010年10月06日 08時10分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 Googleのエリック・シュミットCEOは、Twitterについてどう思うかと9月28日のTechCrunch Disruptカンファレンスで聞かれ、Twitterは高い利益を得られる広告商品を考案できるはずだと認めた。

 「Twitterは非常にうまくいくだろう」と同氏は語り、同サービスは順調に規模を拡大してきたと付け加えた。

 同氏は、GoogleがTwitter買収を試みるかどうかについてはコメントしなかった。だが、それ以外の点では率直だった同氏の意見をきっかけに、「Googleはソーシャルメディア分野でFacebookに対抗するためにTwitterを買収するべきか」をめぐって新たな議論が巻き起こっている。

 Facebookは創業から6年あまりで5億人を超えるユーザーを集めた。その2倍の歴史を持つGoogleは、10億人を超える検索ユーザーを抱えている。ただし、これらのユーザーはすぐに手に入る情報を求めてGoogleにアクセスしている。

 一方、Facebookはコンテンツ共有やコミュニケーションツールで、ユーザーを自社サイト内にとどまらせている。8月に、Facebookはユーザーのサイト滞在時間の合計でGoogleを超えた。参入障壁の低さとサイト滞在時間の長さから、Facebookはソーシャルメディア広告主にとって魅力的な媒体になっている。

 Facebookは間もなくSkypeと提携してVoIP機能を統合するとの報道もあり、実現すれば同サイトでのコミュニケーションは大幅に増えるだろう。Facebookの評価額は330億ドルと伝えられており、数年後に同社がIPO(株式公開)したら、それが次の最もホットな収入源になるだろう。

 Googleはorkut、Google Social Searchなどの控えめなツールを作ってきた結果、ソーシャルメディア分野で後れを取っている。同社がFacebookの台頭を抑える――Facebookの魔法を盗むとまではいかなくても――には何か大きいことをする必要があると人々が考えるのも無理はない。

 投資ファンド500 Start-Upsの創設パートナー、デイブ・マクルアー氏はGoogleについて次のようにReutersに語っている。

 「近いうちにTwitterを買収する必要はない、と思えるシナリオがあるだろうか? わたしはそうは思わない。どう計算したところで、すぐにそうした方がいい。Facebookにつぶされてしまうから」

 Business Insiderのヘンリー・ブロジェット氏は、Skype統合の可能性に加えて、Facebookは「Googleから検索収入を吸い上げる」検索アプリを開発したり、一部ユーザーのブラウザやデスクトップに取って代わって、Googleの成長を阻害するかもしれないと指摘している。

 1億6000万人を超えるユーザーを持つTwitterを買収すれば、Googleのソーシャルメディア分野における地位は大きく高まるだろう。もちろん、同社がTwitterを50億ドル――ブロジェット氏によると、Twitterの企業価値はそれだけあるかもしれないという――で買収するべきだと誰もが考えているわけではない。

 Forrester Researchのアナリスト、オージー・レイ氏は、「Googleはソーシャルメディア分野で信頼を得るためにTwitterを買収しなければならない」という見方を一笑に付している。Googleは年間240億ドルを超える広告収入を得ており、Twitterなしでも成功しているからという。

 同氏は、GoogleがSlideJamboolAngstroSocialDeckなどの小規模な買収で、ソーシャルメディア技術を集めていると付け加えた。10億人の検索ユーザーに向けてうまく活用すれば、Googleがソーシャルメディアにおける自身の価値を証明する時間はあると同氏は確信している。

 「Googleは差し迫った問題には直面しておらず、『Googleはソーシャルメディアで信頼性の問題を抱えている』と感じている人たちの懸念を和らげるためだけに買収を行う必要はない」と同氏は結論づけている。

 検索エンジン専門家ジョン・バテル氏はTwitterの経営陣の経歴から、GoogleはTwitterを買収しないと主張する。TwitterはGoogleにもどこにも身売りしないからだという。

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