Avira、セキュリティソフト最新版をリリース レピュテーション検知を本格導入

新バージョンには、ユーザーから匿名で提供された脅威情報を検知に役立てる侵入防御機能が搭載された。

» 2010年10月15日 07時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]
マーク・ウェブスター氏

 ドイツのセキュリティ企業Aviraは10月14日、個人向けセキュリティ対策製品「Antivir」シリーズの日本語最新版をリリースした。新機能などの製品特徴をプロダクトマネージャー マーク・ウェブスター氏に聞いた。

 同社は、約1億人のユーザーが利用する無償ウイルス対策ソフト「AntiVir Personal」や有償版の「AntiVir Personal Premium」、統合セキュリティ対策製品「Premium Security Suite」などを開発している。2009年12月からは日本語版の提供も開始した。

 最新版のバージョン10には、有償版のAntiVir Personal PremiumおよびPremium Security Suiteに「AntiVir ProActiv」というレピュテーションベースのホスト不正侵入防御(HIPS)機能を新たに搭載した。従来は、脅威の検知に同社が解析したシグネチャを利用するHIPS技術を搭載していたが、新機能はユーザーから匿名で提供された脅威のサンプルを基に解析したシグネチャも利用する。

 これにより、従来の仕組みよりも短時間で新たに発生した脅威を検出できるようになり、ユーザーの保護が強化される。ユーザーから提供された情報は、ウイルス定義ファイルの作成にも利用され、無償版製品でも新手の脅威の検知が強化されるという。

 また、「Generic Repair」というマルウェアを削除したコンピュータの状態を以前の状態に修復する機能も搭載した。同機能は、マルウェアを検知するとスライドアップで画面上に通知が表示され、ユーザーが「削除」を選択すると、修復までの作業を自動的に行うもの。

 このほか、GUIデザインの改良やメモリ使用率の低減、SMTP経由で送信する電子メールへのウイルススキャン済みメッセージの挿入といった機能強化も図った。


 同社によれば、国内のユーザー数は日本語版提供以前は約75万人だったが、9月時点では100万人を突破したという。ウェブスター氏は、「脅威を確実にブロックし、システムのパフォーマンスに影響しないというセキュリティソフトの基本性能を追求し、ユーザーの支持を広げていきたい」と語った。

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