「Oracle CRM On Demand R18」発表、大規模クラウドの利用を想定 日本オラクル

日本オラクルは10月21日、SaaS型CRMアプリケーションの最新版「Oracle CRM On Demand R18」を発表した。大規模なクラウド環境での利用を想定し、セキュリティレベルの向上を軸とした幾つかの機能強化を施した。

» 2010年10月21日 17時17分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia]

 米Oracleの会長兼CEO ラリー・エリソン氏が「Oracle OpenWorld 2010」の基調講演で「Oracle Fusion Applications」を発表した時、同時にSiebelおよびPeopleSoftアプリケーションのサポートも継続するとコメントしていたわけだが、10月21日に日本オラクルが発表したのは、まさにSiebel CRMの機能を継承するSaaS型CRMアプリケーションの最新版「Oracle CRM On Demand R18」だった。

 発表のポイントは、大規模なクラウド環境での利用を見込んだ機能追加について。

 日本オラクル CRM On Demand統括本部 山瀬浩明氏のプレゼンテーションによると、企業の営業支援システムにおけるSaaS型CRMの位置付けは、営業の一部の業務を支えるものから営業の中心的な活動を支援するものへと移行しつつあるという。営業活動で成果を挙げるためにはCRMを活用する方が効率がよい、と同社はメッセージを発信している。このロジックに沿った機能拡張の必要要件が今回の発表のポイントだ。すなわち、セキュリティレベルの向上とビジネスの環境変化に対する柔軟性の確保である。大規模なクラウド環境での利用に耐えるうえで、克服しなければいけない課題でもある。

 堅牢なセキュリティ環境を実現するため、Oracle CRM On Demand R18は「Oracle Database」のセキュリティオプション「Oracle Database Vault」に対応した。特権ユーザー(DBA)によるアプリケーションデータへのアクセス防止や職務分離の実施、アプリケーション/データ/データベースにアクセスする際の実行者/実行時期/実行場所/実行方法の制御などを実施することで、顧客データの外部流出を防止する。

 新機能として追加したのは「Oracle CRM on Demand Business Planning」である。ターゲット顧客の選定や、ターゲット顧客への提案製品選定、売上見込みの計画策定などをサポートする機能だ。ビジネスプランニング機能の強化に付随して、2つの業種(保険とライフサイエンス)テンプレートで画面数を増やすなどの機能拡張を行った。保険テンプレートには「保険募集人管理」「代理店キャンペーン」「代理店のビジネス計画」などを追加した。ライフサイエンステンプレートには「コール活動計画のナビゲーション強化」を加えた。

 なお同社はOracle CRM On Demand R18の販売に際し、ユーザー数200人、契約期間36カ月以上の顧客企業に対して、導入・アップグレード支援サービス「Oracle CRM on Demand」を無償で提供する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ