シスコ、企業ネットワークのボーダレス化を推進する製品群を一挙投入

シスコは複数のネットワーク機器の新製品と「Application Velocity」という新サービスを発表した。モバイル化に対応した企業ネットワークの実現を支援する。

» 2010年10月26日 19時24分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シスコシステムズは10月26日、クラウドや仮想化、モバイルなどに対応した企業ネットワークの実現を支援する複数の新製品と、ネットワークサービス「Application Velocity」を発表した。安定性や信頼性に優れたアプリケーションの利用環境を支える基盤に位置付けられるものとなる。

 同社は、今年春に企業のIT利用のボーダレス化を支援する「ボーダレス ネットワーク構想」を発表している。この構想を推進する新たな製品ポートフォリオとして、「Cisco Catalyst 4500 E-シリーズ スイッチ」「Cisco ASA 5585-X Adaptive Security Appliance」「Cisco ASR 1001ルータ」「Cisco AnyConnect 3.0」、テクニカルサービスの「Cisco Smart Net Total Care Service」などを追加した。

 キャンパス向けスイッチとなるCisco Catalyst 4500 E-シリーズ スイッチは、モジュラー型プラットフォームを採用し、システム当たり848Gbpsの帯域幅と最大384PoEP対応のポート密度を実現した。電源管理機能の「Energy Wise」やセキュリティ機能の「TrustSec」、映像コミュニケーション機能の「Medianet」を搭載するほか、「インサービス ソフトウェア アップグレード」という機能を利用して、10ミリ秒未満のフェールオーバーを可能にしている。

 セキュリティアプライアンスのCisco ASA 5585-X Adaptive Security Applianceは、最大20Gbpsのファイアウォール・スループットを実現しているほか、同時1万のVPN接続、秒間35万コネクション、同時800万のコネクション処理が可能となっている。Cisco ASR 1001ルータは、最大5Gbpsのスループットを実現しつつ、筐体を1Uサイズに小型化した。中小オフィス向け無線LANアクセスポイントのCisco Aironet 1040シリーズは、IEEE802.11nをサポートする。

 エンドポイント向けのネットワーク接続ツールの最新版「Cisco AnyConnect 3.0」では、IPsec IKEv2を新たにサポートし、クラウド型セキュリティサービスの「ScanSafe」に対応する。Cisco Smart Net Total Care Serviceは、サービスプロバイダーや大規模企業、金融業界の顧客を対象に、ネットワーク状態の監視や運用効率の改善、リスクやサポートコストの低減化につながる支援を提供するという。

 ネットワークサービス「Application Velocity」は、サービス統合型ルータのCisco ISR G2をベースに、ソフトウェアベースのWAN最適化ソリューション「Cisco WAAS Express」やアプリケーション高速化エンジン「Cisco WAAS on SRE」、仮想化環境の実行基盤「Cisco UCS Express」などで構成される。モバイル端末とデータセンターを接続する統合型システムを実現し、安定性やパフォーマンスに優れたマルチメディアアプリケーションを利用するための環境の支援するものとしている。

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