デルのワークステーションが最先端の映像アーティストの想像力を支える調達とサポートにストレスなし

白組はアニメーションやビジュアルエフェクトを中心に、数多くのテレビコマーシャル、テレビ番組、劇場用映画などを手掛ける老舗の映像制作会社だ。古くからデジタル映像を制作してきた同社の現在のITプラットフォームは、ワークステーションをはじめ、ネットワーク、ファイルサーバまで利用されているという。その理由はどこにあるのだろうか。

» 2010年10月29日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

CGの可能性を見出したミニコン時代

白組の島村達雄 代表取締役社長

 白組は、1974年に代表取締役社長、島村達雄氏らが中心となって設立されたアニメーションやビジュアルエフェクトを得意とする映像制作会社である。東映動画(現・東映アニメーション)出身で日本のアニメーション黎明期から制作に携わってきた島村氏は、早い時期にコンピュータグラフィックスの将来性や可能性に着目。PCやワークステーションが一般化する以前から、コンピュータを使ったアニメーション映像制作に取り組んできた。

 「1970年代、ハリウッドではすでに、米国の工科系大学と提携し、コンピュータを使った映像制作が行われていました。視察したわたしたちはその凄さに腰を抜かしたものです」(島村氏)

 白組が自社で最初に導入した映像制作用のコンピュータは、ディジタル・イクイップメント社のミニコン「 PDP 11/23」だったという。アメリカから取り寄せたはいいものの、250Vが必要だということを購入後に知り顔面蒼白したくらい、当時の日本では一般的ではなかった。

 「コンピュータで3次元グラフフィックスを扱うには、現在とは違い自分たちでプログラムを書いて描画していましたので、理工系大学出身者の手を借りながら、試行錯誤を繰り返しました。また、当時は画像が描画できてもそれを映像として出力する手段がありません。そこで、ブラウン管に表示した画像を35ミリのムービーカメラでコマ撮りするような苦労もしました」(島村氏)

 そうして重ねた実績が奏功し、同社は1985年に開催された国際科学技術博覧会(つくばEXPO85)では日本IBMのパビリオンにおける映像制作を受注。日本IBMに設置してあった最新大型メインフレームをフル活用したデジタル映像の制作も手がけたという。

制作に必要な機材を安定供給する体制を目指す

白組 システム部の鈴木勝 部長

 1990年代には、当時最新鋭のシリコングラフィックスのコンピュータをいち早く導入するなど、日本のデジタル映像制作を牽引する立場として白組は成長を遂げてきた。2000年代に入り、PCの著しい性能向上に伴い、映像制作プラットフォームをPCへとシフトしていった。PCベンダー製品も使用していたが、最新機種を追いかけるためにパーツ単位で購入してそれを組み立てる、いわゆる自作PCを利用していた時期もあったという。現在の白組の情報システム部門を統括しているシステム部 部長の鈴木勝氏は、次のように話す。

 「Windows NTやWindows 2000を利用していたころは、最新部品を求めたため、映像制作の仕事に必要なPC機材を、その都度ショップで調達するという方法で導入していました。ショップブランドのPCをファイルサーバとして導入したこともあります。この様な状況のため、時がたつにつれて社員の多くが異なる機種のマシンを使っているという状態でした。これでは、トラブルが発生しても問題の切り分けはできません。また、パーツ単位で短期間のメーカー保証しか受けられず、ひんぱんに買い換えなければいけない場合もあり、結果的に“コスト高”になっていました」(鈴木氏)

 このような課題を解決するため、白組がPCの導入方法を見直し始めたのは、2004年頃のことだ。

 「PCベンダーの製品ならば、同じ機種の長期供給と長期パーツ保証があります。交換の際にもチームごとに同じPCを割り当てれば、設定がシンプルになり、スタッフの手を止めなければならない時間も短くなって、素早く制作に復帰できます。制作に必要な機材を安定供給する体制を作るために、調達元となるPCベンダーの変更を行いました」(鈴木氏)

耐久性やメンテナンス性の高さでデルを選択

 当初は複数のPCベンダー製品を導入していた白組だが、現在は約170台のPCワークステーションのうち、約半数がデルのPrecision Workstationだ。半数は他社製品が残るものの、プロジェクトチーム内のPCベンダーは統一されているという。

 デル製品を選択する理由の中で、白組が一番に挙げる点は、デル製品の耐久性やメンテナンス性の高さだという。

 「複数のスタジオがある白組の制作現場では、スタッフ編成によりスタジオを移動する事が多く、PCを運搬したり、データだけを移動するために内蔵ハードディスクを取り出して別のPCに取り付けたりといった使い方をする場面が多々あります。安定性だけでなく耐久性やドライバーなどの工具がなくてもパーツを交換できるメンテナンス性を特に重視し、デル製品を選択しました」(鈴木氏)

 鈴木氏は、調達の容易さもデルを選ぶ理由になっていると話す。

 「デルには、私たちのオーダー履歴を把握し、ワークステーション構成の確認を一緒に行い、ミスを減らすだけでなく確認の無駄な時間も削減してくれます。馴染みのレストランのように『いつもの』とオーダーすれば、必要な機材がそろうのです。このような発注のしやすさも、高く評価しています」(鈴木氏)

 現在、白組では映像制作の現場で利用する以外にも、デルのコンピュータをフル活用しているという。

 「ファイルサーバの9割はデルのPowerVaultサーバです。デルのサーバを選択しているのは、構成と価格、そして故障時のHDD交換保守サービスが理由です。当社に限らず、中小企業にとって安心して導入しやすいファイルサーバだと思います」(鈴木氏)

PR:次世代のインパクトをコンパクトに結集した Dell Precision™ T5500

パワフルなエキスパート・ワークベンチの原動力、インテル® Xeon® プロセッサー5600番台搭載のデュアルソケットのワークステーションDell Precision™ T5500は、コンパクトな外見ながら、パワフルでスケーラブル。


Dell Precision T5500(クリックでデルのページへ飛びます)


OptiPlexで画像計算を行うユニークな使い方も

 そのほか、業務用のデスクトップとしてデルのOptiPlexを採用しているという白組だが、そのOptiPlexを、非常にユニークな方法でも活用しているようだ。

 「コンピュータで映像を制作する際、高性能なワークステーションでレンダリング処理するのが一般的です。当社でも従来は、レンダリング専用のワークステーションを用意していました。しかし、より多くの計算を求められ、次の策を考えなければなりませんでした。“クアッドコアのCPUを採用したPCを大量に並べ、計算処理したい”と考えていたのです。そのタイミングで現れたのが、省スペース、省電力、そしてインテル製クアッドコアのCPUを採用したOptiplexでした」(鈴木氏)

 鈴木氏によると、(OptiPlexよりも)高性能なサーバを利用して並列レンダリング処理することも検討したという。ところが、同社で利用している3DCGソフトウェアのシステム要件を確認すると、Windows XPやWindows VistaなどのクライアントOSのみのサポートだった。そこで、スモール筐体が用意され、搭載可能なメモリ容量やプロセッサ性能が十分なOptiPlexに白羽の矢を立てたわけだ。

 「省スペースなOptiPlexとワークステーションを配置したサイズを比較すると、同じ設置面積で2倍の台数が設置でき、消費電力もおおむね半分で済むことが分かりました。そこで、このレンダリング処理のために、OptiPlex 30台を一括で導入したのです」(鈴木氏)

デルとの協業成果を映像業界のコミュニティーに還元する

 コンピュータを使ったデジタル映像制作を古くから手がけてきた白組だけあって、将来にも目を向けている。島村氏は、「将来的には、デルと協力して巨大なデジタル映像の仮想空間を構築してみたいですね」と夢を語る。

 情報システムを統括する鈴木氏は、次の課題としてファイルサーバの高速化を挙げる。

 「当社の場合、1フレーム当たり30Mバイトもある大容量の映像ファイルから、XMLベースの小さいファイルまで、さまざまなファイルをやり取りしているため、ファイルサーバを最適化することはなかなか困難です。現在はデルのPowerVault NASを利用して分散していますが、今後はiSCSIベースのDell EqualLogicストレージ等も検証する予定です」(鈴木氏)

 鈴木氏は、将来的にデジタル映像制作の業界全体がコンピュータテクノロジーに関するノウハウを蓄積し、情報共有していく仕組みを構築していきたいと願う。そうしたコミュニティーの牽引役として、デルに大きな期待を寄せているという。

創造力を刺激する、ITパートナーでありたい。

デルスモール&ミディアムビジネス マーケティング本部 北アジア地区 本部長 原田洋次氏

 懐かしい映画「ALWAYS」や「釣キチ三平」、よく見るクルマのCM、子供向けのTV番組……。それらの“白組作品”に接するたびに、われわれデルのデスクトップPCやワークステーションが役に立っていることを実感しています。研ぎ澄まされた作品は、厳しいスケジュールの中で制作されるのですから、マシンの信頼性と創造力を上回るポテンシャルが常に求められます。しかし、単なるハードのベンダーでは白組の創作意欲に応えることはできません。これからは、作品の制作を刺激できるようなITパートナーとして、貪欲にITのメリットを提案していきたい。そう考えています。

信じる道を行く5人のストーリー INDEX
【第1回】家本 賢太郎
クララオンライン 代表取締役社長
(2010/09/21公開)
【第2回】倉橋 泰
ぱど 代表取締役社長
(2010/10/12公開)
【第3回】島村 達雄
白組 代表取締役社長
(2010/10/29公開)
【第4回】松浦 弘昌
コンビ 代表取締役社長
(2010/11/18公開)
【第5回】笠原 健治
ミクシィ 代表取締役社長
(2010/12/08公開)

※Intel、インテル、Intelロゴ、Xeon、Xeon Insideはアメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporationの商標です。
※PowerEdge、DELLロゴは、米国Dell Inc.の商標または登録商標です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年12月27日