ニュース
» 2010年11月17日 07時25分 UPDATE

EMC、スケールアウトNASメーカーのIsilonを22億5000万ドルで買収 (1/2)

EMCはIsilonのNASシステムをオブジェクト指向型ストレージプラットフォーム「Atmos」と組み合わせることで、プライベートクラウド向けの新たなプラットフォームを提供する計画だ。

[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 以前から事業の拡張に余念がない米EMCは、10億ドル規模の年商が期待される新たなビジネスを立ち上げようとしている。

 既に業界ではうわさになっていたが、世界最大のストレージハードウェアとソフトウェアの独立系メーカーであるEMCは11月15日(現地時間)、米ワシントン州シアトルに本社を置くNAS(Network Attached Storage)プロバイダーのIsilon Systemsを22億5000万ドル(1株当たり33.85ドル)の現金で買収すると発表した。

 年間140億ドルの売り上げがあり、70億ドルの現金を保有するEMCによると、この買収は年末に完了する見込みであり、同社の2010年の純資産には「実質的な影響を与えない」という。

 11月15日のEMCの株価は約21.15ドルと変化がなかった。Isilonは、容易にクラスタ化できるストレージアレイ技術で早くから脚光を浴びた企業。ストレージアレイのクラスタリングにより、データストレージ処理能力を拡大し、大規模なワークロードに対応できる。さらに同社はこの2年間、企業の支店・支社や中規模企業向けにiSCSIベースの小規模なシステムを販売するなど事業範囲を広げてきた。

 EMCでは、IsilonのNASファイルシステムと自社のオブジェクト指向型ストレージプラットフォーム「EMC Atmos」を組み合わせることにより、グローバルに分散したワークロードを処理するプライベートクラウドシステムの構築を計画している企業向けに、新しい高次元のプラットフォームを提供する考えだ。

 EMCによると、IsilonとAtmosの組み合わせは、「プライベートあるいはパブリックなクラウド環境における“Big Data”を管理するための完全なストレージインフラソリューション」を顧客に提供するという。

 同社では、ストレージ技術に対する2つのアプローチを1つのパッケージに統合することにより、構造型(データベース型)と非構造型(オブジェクト指向型)のデータが含まれる分散拡大型ワークロードを扱うための新たな選択肢をITマネジャーに提供するとしている。

 米マサチューセッツ州に本社を置くHopkintonによると、この2つの高度に補完的なストレージ製品の合計売り上げは、2012年の下半期の段階で年商10億ドルのレベルに達する見込みだという。

 EMCはこの10年間で、米RSA Security、米VMware、米Avamar、米Data Domainなど幾つかの企業買収を年商10億ドル以上の規模の新事業に育て上げてきた。

小さく始めて徐々に拡張できるIsilonのシステム

 IsilonのスケールアウトNASストレージラックは、小規模な構成(100Tバイト以下)からスタートし、10P(ペタ)バイトのシステムまで拡張することが可能だ。高可用性も維持され、拡張の際にほかのシステムに影響を及ぼすことはない。

 EMCのパット・ゲルシンガー社長兼COO(最高執行責任者)は「EMCの高度に補完的なポートフォリオ、深い技術知識、潤沢な資金、そしてグローバルな営業力は、Isilonにユニークな価値をもたらす」と語る。

 「IsilonはEMCのストレージ収入の拡大に貢献するとともに、より広範なストレージシステム市場の顧客のニーズに応えるだろう。EMCはIsilonのビジネスのあらゆる側面に投資することにより、成長を加速するとともに、急速な拡大が予想される市場機会をとらえるつもりだ」(ゲルシンガー氏)

 米調査会社Technology Business Researchのアナリスト、グレッグ・リチャードソン氏は米eWEEKへの報告書の中で、この買収はEMCにとって「成長著しい垂直市場での事業拡大に向けた新たな扉を開く」ものになると指摘している。

 「EMCはこの買収により、垂直市場向けに大規模なソリューションビジネスを展開しているIBMや富士通、そして最近この分野で勢力を伸ばしているDellといった競合企業に対抗しやすくなるだろう」とリチャードソン氏は語る。「加えて、Isilonのスケールアップ、スケールダウン技術により、EMCは変化する需要に合わせてストレージ能力を柔軟に提供できるため、同社のソリューションはクラウド市場で有力な存在になるだろう」

 「つまり、EMCはパブリッククラウドとプライベートクラウドのインフラの普及を促進するための新たな武器を手にすることになるのだ」(同氏)

       1|2 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ