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» 2010年11月29日 12時00分 UPDATE

ITコンサルの四方山談義:ドラッカーの言葉に学ぶ会議マネジメント【前編】

成果につながる会議の進め方を、ドラッカーの言葉から学びましょう。

[辻井康孝(ザイ・コーポレーション),ITmedia]

 皆さんこんにちは、IT・情報戦略コンサルタントの辻井康孝です。

 どこの会社でも会議は日常的に行なわれており、そうでない会社は少ないと思います。かくいう僕も職業がら、取引先などでさまざまな会議に出席する機会があります。ただ、効率良く建設的に議論が進む会議と、そうでないものがあるのも、また事実。

 そこで今回は、企業において行なわれる会議を、有意義で建設的なものにするためのポイントについて、お話ししたいと思います。

 会議を効率的に、成果あるものとして機能させるためには、まず会議そのものの「マネジメント」が必要です。時間ばかりかかって一向に建設的な成果が得られない不毛な会議には、これが欠落しています。

 会議のマネジメントとは、要するにその会議の「仕組みとルール」をしっかり作り、規律を持って会議を運営していく、ということですね。そのような観点から、以下に大事なポイントをまとめます。

  1. 議論は、積み上げていかねばならない→昨日より今日、今日より明日で進展がなければ意味がない
  2. そのためには、ルールが必要→議題の明確化と議事録の整備、時間管理
  3. 今、何について話し合っているのか、そこから外れてはならない→議長の手腕
  4. 発言したからといって、何かを言ったことにはならない→会議は自己アピールの場ではない
  5. ブレストである場合を除いて、思いつきでモノを言わない→自分の発言に責任を持つ

 では、それぞれについて、以下に詳しくお話ししていきます。またその意味をより深く味わうために、「経営の神様」と呼ばれるドラッカーの言葉も踏まえながら、見ていくことにしましょう。

議論は、積み上げていかねばならない→昨日より今日、今日より明日で進展がなければ意味がない

 当たり前ですが、会議をする以上、そのプロジェクトは進展しなければ意味がありません。ビジネスマンはみな忙しく、お互いその貴重な時間を使って集まるわけですから、それにふさわしい成果を得なければ、文字通り「時間のムダ」です。そして物事を進展させていくには、議論が「積み上がって」いかねばなりません。

 「話し合って物事が決まる→それを実行に移す→その結果がどうだったか検証する→改善する」といういわゆる「PDCA(プラン→ドゥ→チェック→アクション)」のサイクルで進めることが必要であり、「話し合ってそれで終わり」では、いけません。

 話し合って決定したことを行動に移し、そしてその結果についてまた話し合うことで、昨日より今日、今日より明日と、物事をどんどん前進させることが大切なのです。

ドラッカーの言葉:

  • 意思決定とは行動を約束することである。起こるべきことが起こらなければ、意思決定を行なったことにはならない。
  • 決定は実務レベルに下ろさない限り、決定とは言えず『良き意図』に過ぎない。
  • 戦略計画とは、1.リスクを伴う起業家的な意思決定を行なう、2.実行に必要な活動を体系的に組織する、3.活動の成果を期待したものと比較する、という連続したプロセスだ。

そのためには、ルールが必要→議題の明確化と議事録の整備、時間管理

 議論を積み上げて会議を効率良く運営するには、会議自体の「システム化」を行なわねばなりません。その会議は何を目的として、何について話し合い、どんな成果を招来したいのか……。そういうことをメンバーに明確に周知し、全員がそれを理解して議論を進めていく必要があります。

 そのためには、まずアジェンダ(=議題)をレジュメ化し、全員に配布するわけですが、召集されてその議題を初めて知るようでは、各メンバーはそれから考え始める事になるので、効率良い時間の使い方とは言えません。

 そこでアジェンダは、事前にメールなどで配布しておき、各自がその会議で何を話し合うのかを把握し、個々の議題に対する自分の考えをアタマの中でまとめた上で会議に臨むようにしておくべきでしょう。

 また会議後には速やかに議事録を作成し、これも全員に配布します。議事録とは単なる記録ではなく、そこで何が決まり、何を行動に移し、その結果がどうだったかを次回の会議で報告できるようにするためのベースとなります。これを見て、全員が次の会議に向けて、一斉に行動を起こすのです。ですので議事録には、単に議事内容だけでなく、決定事項・担当者・期日が明記されていなければなりません。

 また会議においては、時間のマネジメントも必要です。困難な議題を討議する場合、時間管理をしなければ、いつまでたっても結論の出ない、いわゆる「小田原評定」になります。冒頭に、この会議にどれだけの時間を費やすかを明確に宣言し、全員がそれを認識して議論することが大切です。「タイムイズマネー」なのです。

ドラッカーの言葉

  • 会議を成果あるものにするには、会議の冒頭に、会議の目的と果たすべき貢献を明らかにしなければならない。そしてその会議をその目的に沿って進めなければならない。会議の終わりには、冒頭の説明に戻り、結論を会議開催の意図と関連づけなければならない。
  • 成果を挙げるための第一歩は、時間の使い方を記録することである。

 続きは【中編】でご紹介したいと思います。


当記事はブログ「ITコンサルの四方山談義」から一部編集の上、転載したものです。エントリーはこちら

筆者:辻井康孝

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IT・情報戦略コンサルタント、ザイ・コーポレーション代表取締役。音楽業界、広告業界を経て2000年より現職。マルチメディア草創期よりITビジネスに携わり、上場企業を始めとする多くの企業で顧問・監査役等を歴任。情報戦略立案、Webマーケティングなど、主に企業経営者向けにコンサルティングを実施。


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