オフィスに縛られない働き方を実現するテクノロジーの過去・現在・未来セキュリティとコストのバランス

スマートフォンやタブレット端末が柔軟な働き方を実現する手段として注目されている。だが従来の働き方で必要とされた手段にとって代わるものなのだろうか。「人と会社を元気にする」働き方を提案するオルタナティブ・ブロガーの大木豊成氏とインテルが、柔軟な働き方を実現するテクノロジーの可能性について語る。

» 2010年12月01日 10時00分 公開
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 少子化や人口の減少、グローバル競争の激化など日本企業を取り巻く環境は厳しさを増している。企業が競争力を維持するために、社員の生産性を高める働き方が注目されるようになった。場所や時間の制約にとらわれない――スマートフォンの出現やコンピュータの進化が、そのような働き方を理想ではなく現実のものにしつつある。

 だが、企業に根付いたスタイルを変えることは容易ではないだろう。働き方を変えていく方法とそれを支えるテクノロジーの可能性について、オルタナティブ・ブロガーの大木豊成氏とインテルが意見を交わした。インテルは、クライアントPCの運用管理やセキュリティの強化を支援する「インテル vPro テクノロジー」を2006年から提供している。

「今できること」「これからできること」

大木豊成氏 大木豊成氏。スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。著書に「iPad on Business」「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」「ファシリテーターの道具箱」(共著)がある

 近年は「ノマドワーキング」という言葉が広まりつつある。働く場所を自由に選ぶビジネスマンの働き方を指す言葉だ。ノマドワーキングには、オフィスの中にいるのと同じような環境を実現する手段が必要になる。高速のネットワークや高性能のコンピュータで効率的に仕事をし、堅牢なセキュリティシステムによって情報を保護するという具合である。

 しかし大木氏は、「実際には自由業の人のスタイルであり、会社員がそれをしようとしても難しい」と指摘する。オフィスの中ではそれを容易にできるが、会社の管理が行き届きにくいオフィスの外では多額のコストを掛けて実施しなければならない。セキュリティソフトや管理ソフトをインストールしたPCと通信機器を社員一人ひとりに用意することになる。

 ノマドワーキングに必要なものをPCに詰め込む従来のスタイルに一石を投じたのが、AppleのiPhoneやiPadに代表されるモバイル端末である。持ち歩きができ、必要な情報をすぐに入手できる利便性に注目する企業が増えている。だが、モバイル機器にも弱点はある。ソフトウェアキーボードを使って入力する場合は、画面の半分がキーボードで埋め尽くされ、画面を見ながら入力したいというユーザーの要望に応えることが難しい。またPCよりも小さく、紛失や盗難に遭うリスクも高い。

 ノマドワーキングのような働き方を企業が取り入れるには、少ないコストで利便性とセキュリティのバランスを図ることができる手段が不可欠である。その条件を完全に満たすデバイスは、まだ実現していない。大木氏は、デバイスごとのメリットとデメリットに応じて、ユーザーがさまざまなデバイスを使い分けていくことが現実的な方法であると話す。

 先に挙げたように、オフィスの外でPCを利用する上での課題をインテルはどのように考えているのだろうか。坂本尊志氏は、特にセキュリティと管理という大きな課題の解決を「インテル vPro テクノロジー」によって試みていると話す。インテル vPro テクノロジーは、リモートからメンテナンスや、紛失・盗難によるPCの保護などをハードウェアでサポートするという技術だ。

 最新のPCは高性能な自動車のようなものであり、処理能力の高いCPUやメモリ、大容量のHDDを搭載するが、情報漏えいのような事故に直面すれば大きな被害をもたらす。自動車にABSやエアバック、衝突防止装置が装備されているように、PCにも安全を確保するための備えが必要である。

 インテル vPro テクノロジーは、ソフトウェアとの組み合わせではじめて有効に機能する。柔軟な働き方をPCで実現するための手段がインテル vPro テクノロジーというわけだ。大木氏は、「PCに必要な機能をソフトウェアだけでまかなうことはできないので、ハードウェアでそれを支えていくというアプローチは頼もしい」と話し、期待を寄せる。

テクノロジーはある、あとは人の意識

坂本尊志氏 インテル マーケティング本部プラットフォーム・マーケティング・エンジニア 坂本尊志氏

 インテル vPro テクノロジーのように、柔軟な働き方を実現するテクノロジーが進化しつつある今、柔軟な働き方を導入する上での最大の障壁が人の意識だ。大木氏は医療業界でのIT活用を多数支援してきた経験から、その課題を次のように紹介する。

 「医療業界は非常に保守的で、古いシステムを利用している。だが、情報システム部門を抜きにしてIT活用を考えたいという経営層もいる。情報システム部門が不要だということではなく、日々のシステム管理よりもビジネスに貢献するITの仕事に取り組んでほしいようだ」

 IT活用を求める経営層とそれに慎重な情報システム部門という構図が浮かび上がるが、それとは逆に、情報システム部門がIT活用を推進したくても、経営層が従来のスタイルにこだわるという構図もある。だが、これは対立というものではなく、意識の違いに問題があるようだ。

 経営層は全体的な視点から少ないコストで効果が得られることを重視する。細部にまで関与することはない。情報システム部門は、保守的であるというよりも、セキュリティや安定的な運用手段を確立することを優先する。この違いを乗り越えるきっかけは、やはりテクノロジーになるだろう。

 例えば、NTTデータはインテル vPro テクノロジーを採用したPCを既に1万台以上導入している。同社では、社員が社外からオフィス内のPCをリモートアクセスで作業を行うことで、セキュリティと生産性の課題を同時に解決している。かつては自席のPCの電源を常にオンにしておく必要があり、省エネおよびセキュリティの両面で対策が求められていた。インテル vPro テクノロジーの導入により、リモートから電源操作ができるため、エコとセキュリティが両立する環境を構築することができた。また、PCの稼働を抑えることにより、耐用年数の面でも貢献している。

 坂本氏によれば、インテル vPro テクノロジーのユーザーは中小企業の経営者も多いという。休日でも会社のPCにリモートからアクセスして仕事をすることが目的であるという。

 こうした事例にみられるように、新しい環境に対するビジネス側と管理側の要求を満たす手段は現実にあり、それによって業務効率化やコスト削減などの目的を達成している企業は多い。

 坂本氏は、「朝に自宅で必要なメールをチェックし、ラッシュのない時間に出勤するような働き方の実現にインテル vPro テクノロジーのPCを役立てていただきたい。満員電車に乗る日が1日でも少なくなれば、ユーザーにも喜ばれる」と話す。

 情報システム部門にとっても、インテル vPro テクノロジーを活用すれば、オンサイトでコンピュータの設定更新やアップデートをする作業を休日に実施しなければならない状況から解放される。時間の効率化が図られ、ビジネスに貢献するIT活用の業務により多くの時間を割けるだろう。

 柔軟な働き方の実現には、企業内のさまざまな立場の人間がかかわるだけに、利害関係の調整が障壁となることもあるだろう。インテル vPro テクノロジーのような手段を利用し、意識を少し変えてみるだけも新しい展開を実現していけるだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年12月31日