ITリソースの予約、配備、見直しまで、一元的な運用サイクルを管理――「JP1/ITRM」そのITリソース、効率的に使えていますか?

日立が2010年6月に発表した統合システム運用管理ソフトウェア「JP1 V9.1」シリーズに加わることとなった「JP1/IT Resource Management – Manager(JP1/ITRM)」は、仮想化/非仮想化、異種OSの混在環境におけるITリソース管理を一元的に行える、仮想化時代の効率的なITリソースプール運用を支援するツールである。

» 2010年12月06日 10時00分 公開
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仮想環境におけるITリソース管理の課題を解決

 普及期に入ったと言われるサーバ仮想化。日立製作所(以下、日立)が2010年9月に開催したイベント「Hitachi Open Middleware World JP1 Day」のアンケート結果によると、既に仮想化を導入し、運用している企業は約半数にも上っているという。サーバコンソリデーションによってITリソースの無駄を省き、結果的にコスト削減につなげるというメリットを期待してのサーバ仮想化だが、一方で新たな課題も浮き彫りになりつつある。

 そうした課題の1つが、想定していたよりも、ITリソースを効率的に使えていないということだ。サーバのパフォーマンスは日進月歩で進化し続けているが、仮想化によってハードウェアにどれだけの負荷がかかり、負荷によってシステムがどんな影響を受けるのかという導入・構築の経験やノウハウは、まだ十分に蓄積されたとは言えない。そのため、「停止しては困る」というシステムを仮想環境に移行した場合、その稼働プラットフォームとなるサーバは、従来の物理サーバで行ってきたようにピーク時を想定し、かなり余裕のあるスペックと構成で導入することが多いのだ。

 また、仮想化には、システムを動的かつ迅速に拡張してビジネスの変化に即応できるという特長がある。しかし、動的な拡張を重視するあまり、その受け皿となるサーバも余裕を持たせておくというケースも散見される。ITリソースを効率的に、無駄のないように使いたいという仮想化導入時の希望とは裏腹に、実は無駄だらけということも少なくないというわけだ。

 さらに、サーバのITリソースを無駄なく運用しようと思っても、複数のハイパーバイザーを導入していたり、異なるOS環境が混在していたりといったように、運用管理業務が複雑化し、ITリソースの最適化に手が回らないという課題もある。サーバ仮想化を導入したのに、効果的に使われていないのが実情ではないか。

 こうした新たな課題を解決するために、以前からサーバ仮想化への対応を進めてきた日立が統合システム運用管理ソフトウェアの最新版「JP1 V9.1」に追加した新しいツールが「JP1/IT Resource Management - Manager(JP1/ITRM)」である。

 JP1の従来バージョンでは、物理と仮想の両面からの一元的な障害管理や、稼働性能の監視によるチューニングなどの仮想化対応を進めてきた。当然、これらの対応は重要だが、ITリソースの無駄をなくして有効に活用するという、サーバ仮想化のそもそもの目的を十分に果たすには、それだけでは不十分だということが分かってきた。さらに、ITリソースをプール化した環境では、システム管理者の運用負荷が増大するという課題も出ているのだ。

 そこで、日立が着目したのがITリソース管理に特化した運用ツールの開発であり、それによって登場したのがJP1/ITRMなのである。

JP1/ITRMでITリソースを最適化するための運用サイクルを回す

一連の運用管理業務をワンストップでサポート

 JP1/ITRMの特長は、ITリソースプール化された環境における一連の運用管理業務を、ワンストップで行えることにある。前述したように、複数のハイパーバイザーを導入していたり、異なるOS環境が混在していたりといった場合、環境の違いによって複数のツールを併用しなければならないのは、システム管理者にとって大きな負担だ。ITリソースの検索や予約を手作業で行い、それに基づいて稼働実績を確認したり、仮想マシンを展開したりするのにツールを使い分ける必要がある。ここまで煩雑な作業は、サーバと業務が1対1の関係だった従来の非仮想環境では、考えられなかったことだ。

 そうした一連の業務を、1つのルールで管理するのが、JP1/ITRMの役目である。複数の異なる環境にまたがるITリソースプールの中から空いているITリソースを検索し、必要なITリソースを予約する。そのITリソースに対して仮想マシンを配備し、稼働実績の確認と見直しをしてマイグレーションやチューニングを実施するというような、運用サイクルを回せるようになる。ちなみに、JP1/ITRMではWindows、Linux、UNIXなどの各種OSや、VMware、Hyper-V、日立サーバ仮想化機構「Virtage」上の仮想マシンが混在する環境に対応し、エージェントを導入することなくITリソース管理が行える。

 またJP1/ITRMでは、ネットワークに混在する仮想化/非仮想化のサーバ構成情報をエージェントレスで自動的に検出し、それをトポロジ表示できる。システム管理者は、この情報を参考にITリソースの現状を把握し、その予約状況(スケジュール)と照らし合わせて適切な割り当て計画を立てられるというわけだ。ITリソース割り当ての実行は、異なる仮想環境が混在していても同一の操作で、割り当て予約やサーバの配備を行える。

システム構成を検知し、トポロジ表示できる

 さらに、詳細なレポート表示機能により使用状況を把握し、割り当てを見直すなどITリソースを最適化できる。このように、割り当て計画、割り当て実行、使用量の確認と最適化という運用サイクルによって、ITリソース運用を支援するわけだ。

プロビジョニングの自動化にも対応

 システム管理者のオペレーションとJP1/ITRMの働きをもう少し詳しく見てみよう。例えば、ある企業で新しい業務システムを開発するため、一時的に開発環境が必要になったとしよう。開発者はシステム管理者に対し、OSやハイパーバイザーの種別、CPUのコア数やメモリ/ディスクの容量、サーバの台数、使用期間などの情報とともに、仮想マシンの割り当てを依頼する。

 システム管理者は、その条件に合致する仮想マシンが稼働可能なITリソースをJP1/ITRMで検索する。JP1/ITRMでは、ITリソースプールの対象になるIPアドレス範囲と認証情報をあらかじめ設定しておけば、物理サーバ、仮想マシン、IPスイッチやFCスイッチといったネットワーク機器、ストレージなどのITリソースをエージェントレスで自動的に検出する。この構成情報は定期的に自動実行するか、手動で実行して収集されたものであり、ITリソースの稼働状態としてトポロジ表示される。システム管理者は、表示されたITリソースを選択するだけで、そのITリソースの使用量や割り当てスケジュールなどの詳細情報が確認できる。

 こうして得た情報の中から、依頼された開発環境に適したITリソースを決定し、仮想マシン作成のスケジュールを予約する。通常、VMwareとHyper-Vなど異なる仮想環境が混在している場合は、異なる操作を実行しなければならないが、JP1/ITRMはその差異を吸収し、ITリソース管理に必要なサーバの起動・停止・リブートやデプロイ、さらには仮想マシンの削除や退避・復元、設定変更などをまったく同じユーザーインタフェース内で行える。

 ITリソースに対する操作はタスクとして一覧表示され、実行またはキャンセルをしたり、運用操作の履歴や実行状態を確認したり、過去に実行したタスクを再度実行したりする機能がある。物理サーバ全体のタスクを一覧表示することもできるので、同時刻に高負荷のタスクが重ならないように実行時間を調整することも可能だ。こうして予約したITリソースは、必要な期間に必要なスペックだけ割り当てるようにスケジュールで管理される。

 そして予約された時間になると、JP1/ITRMによって仮想マシンが配備される。この時に作成される仮想マシンは、あらかじめ用意されたテンプレートをベースに、CPUのコア数、メモリ/ディスクの容量、ホスト名、IPアドレス、認証情報といったプロビジョニングの設定が自動的に行われる。こうして配備が完了すると、システム管理者に配備完了の旨が自動通知されるというわけだ。

 このようなITリソース割り当てに加えて大切なのが、使用量を確認して割り当てを見直すことだ。ITリソースに余裕があるかないかによって、仮想マシンをマイグレーションするのである。マイグレーション後は、もう一度使用量を見て、問題がないことを確認する。

 もちろん、システム管理者はJP1/ITRMだけを使って業務を行っているわけではない。そこでイベントに対してしきい値を設定しておき、しきい値を超えた時点でITリソースの使用状況の変化を通知する機能も用意されている。

ITリソース管理の運用イメージ

 今後、サーバ仮想化の導入が進むと、ITリソース管理を最適化しようという要望はますます増えてくることが予想される。それを先取りする便利なツールであるJP1/ITRMを導入することで、運用管理負荷の軽減とコスト削減が実現されることだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年1月5日