HPのクラウド戦略を補強する3PAR

今年9月に買収を完了した3PARのストレージソリューションは、HPのクラウド戦略にとって大きな武器になるという。

» 2010年12月06日 19時50分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月6日、今年9月に買収したストレージベンダの3PARに関する事業説明会を開いた。米HPでエンタープライズサーバ・ストレージ・ネットワーク HP Storage マーケティング ディレクターを務めるクレイグ・ヌネス氏は「3PARのストレージ製品は、HPのクラウド戦略に向けた基盤づくりに大きく貢献する」と強調した。

米HPのクレイグ・ヌネス氏 米HPのクレイグ・ヌネス氏

 大規模なクラウドサービスを実現するには、膨大なデータを保存するための大容量かつ高性能なストレージが不可欠である。これまでHPでは、スケールアウト型NASストレージ製品「X9000」やiSCSIを利用した仮想化ストレージ製品「P4000」、重複するバックアップデータを排除するためのソフトウェア「StoreOnce」などのストレージ関連製品を提供し、そのポートフォリオ強化に取り組んできた。

 IT調査会社の米IDCが今年9月に発表した調査によると、ディスクストレージ市場全体ではHPが19.3%のシェアを獲得し、堂々の1位を獲得しているが、外付けディスクストレージについては、市場シェアが11.3%で3位に甘んじているという。「(外付けストレージでも)首位になるためには、ストレージ製品に対する積極的な投資、最新技術の取り込み、ポートフォリオの拡大の3つが重要であり、これを補足するのが3PARの製品だ」とヌネス氏は述べる。

 3PARのストレージ製品は、米SAVVISや米Verizon Businessなどグローバルで展開する大手サービスプロバイダ各社で導入されているほか、金融業界や通信業界など幅広い市場で支持が高い。こうした実績もクラウド戦略に力を注ぐHPが3PARを買収した理由だとしている。

「(3PARを傘下に加えたことで)HPはクラウドサービスに必要なものすべてを手にし、市場に打って出る準備が整ったのだ」とヌネス氏は力を込めた。

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