Oracle、ASFにJCP脱退の再考を呼び掛け

Oracleが、ASFのJCPメンバー辞任に対し「立場を再考してJava推進プロセスに参加し続けることを勧める」と呼び掛けたが、ASFのプレジデントは「理由を示せ」と応酬した。

» 2010年12月13日 11時08分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 「Apache Software Foundation(ASF)にJCP脱退を再考するよう勧める」――。米Oracleの開発担当副社長、アダム・メッシンガー氏が12月9日(現地時間)、ASFが同日JCPの執行委員会(EC)の委員を辞任すると発表したことを受け、公式ブログでそう語った。

 ASFは11月、OracleがApache Harmonyにテストキットライセンス(TCK)を提供しないのはJCPの規則に反しており、権利が認められないのであればJCPを脱退すると警告。ほかのJCPメンバーにもJava SE 7仕様に反対票を入れることでOracleに抗議するよう呼び掛けていた。だが、投票の結果12対3の圧倒的多数で仕様が承認されたため、辞任を発表した。

 Oacleのメッシンガー氏は公式ブログで「Apacheには立場を考え直してJava推進のプロセスに引き続き参加するよう勧める。ASFや多くのオープンソースプロジェクトの参加は、Javaエコシステム全体にとって重要だ」としている。ただし、この問題の発端となっているTCKについては何も触れていない。

 これに対し、ASFのプレジデントを務めるジム・ジャジエルスキー氏はTwitterで「ASFが考え直さなければならない理由を示せ。なぜ問題に取り組まない?」とツイートした

 公表されているJava SE 7の投票結果によると、賛成票を投じた12メンバーのうち米IBM、独SAP、Eclipse Foundation、米Red Hat、スイスのCredit Suisseが、オープン性に関する懸念を表明するコメントを付けている。

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