成長のカギは「本当のグローバル化」――主要ITトップのメッセージ2011年の展望と目標(2/2 ページ)

» 2011年01月05日 16時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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日本電気 遠藤信博 執行役員社長

 2010年は創立から111周年を迎えたが、これからも継続して社会に貢献していくためには、自らの変革を通じて成長していくことが不可欠である。当社にとって成長の鍵は「グローバル化」。世界の顧客を面で支えるため、2010年からグローバル5極体制とともに、クラウドやバイオメトリクスに関するコンピテンスセンターを各地で整備している。ビジネスとは、絶え間ないイノベーションを通じて常に新たなマーケットを開拓していくことであり、広くグローバルに目を向けると私たちNECグループが貢献することのできる市場はまだまだたくさんある。また、それを遂行していくことこそが、NECに課せられた使命でもある。

 グローバルで顧客に貢献していくためには、社員一人ひとりが徹底したマーケティング志向へと変革していくことが必須である。顧客が潜在的に抱えるニーズ(Hidden Voice of the Customer)を感じ取ることができる感受性を常に高めておくことと同時に、NECグループが持つ優れたアセットの全てを生かして顧客に貢献するという高い意識を持ち、創業時から掲げられた当社のコアバリューである「Better Products, Better Services」を追求・実践していこう。

日立製作所 中西宏明 執行役社長

 2011年、次の100年に向け、新たな成長シナリオとともに「日立の挑戦」を開始する。挑戦の前提となるのが、加速するグローバル化と、それによる新たな市場の出現である。今グローバル化の波に直面しているわれわれは、大きなチャンスに恵まれていると考えるべきだ。この潮流こそが、さらなる成長をとげ、未来を切り開いていくためのさまざまな事業機会となる。広がる事業機会をグローバルに求め、各地域のニーズにしっかりと対応していくこと。そこにこそ日立の「社会イノベーション事業」の大きな発展がある。

 幅広い事業分野、多様な地域に広がる日立には、人財の面においても、さらなる多様性、ダイバーシティが求められている。すでに、地域に根ざした司令塔が次々と生まれ、それぞれの国の文化に根ざした事業運営が始まっている。日立が必要としているのは、自分の周囲の人を巻き込んでいく力や、その先のもう一歩を考え抜ける力をもつ人財だ。さらに世界の現場で仲間とともに汗をかく強力なチームワークである。優れた人財を育成していくために、全面的なサポートをしていく。社員一人ひとりが挑戦していけるステージをどんどん作り出していきたい。

富士通 山本正已 代表取締役社長

 経済情勢は、多くの先進国が財政出動を伴う景気対策から財政健全化へと舵を切っており、今後の景気回復のペースは緩やかになるだろう。中国など新興国の経済は依然として力強い。新興国における経済発展と消費の拡大が今後の世界経済の牽引役であるということが、企業の経営やマーケティング戦略の前提として織り込まれつつある。

 そこにはジレンマもある。現在すでに深刻化しつつある地球温暖化や資源制約などの課題を加速する側面があるのは否めない。新興国の成長からリターンを得るという20世紀型ビジネスモデルでは、早晩、限界が訪れるだろう。資源、エネルギー、環境などの課題解決に取り組みながら、「人がより豊かに生きることができる社会」の実現に向けて新しい付加価値を生み出していく、21世紀型ビジネスモデルへの転換が必要だ。2011年は、そうした転換へ向けた準備が大きく進む、あるいは進めるべき年であろうと考えている。

 富士通グループは、常に変革に挑戦しつづけ、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供することを企業理念としている。顧客の新しいビジネス展開を支援したい。

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