医者と患者は友達になれるか?――ソーシャルネットワークのメリットと限界オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年01月28日 16時31分 公開
[森川拓男,ITmedia]

ソーシャルネットワークのメリットと限界

 ソーシャルネットワークの1つのデメリット、限界は、人間関係の可視化の方法ではないでしょうか。

 ソーシャルネットワークの限界のひとつ:ITコンシェルジュの Try ! & Error ?


 最近、話題のソーシャルネットワーク。そこで注目なのは、Facebookなどに見られる実名主義だ。これについて、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」のネット上での実名主義も本人の演出には勝てないで考察が行われている。つまるところ、「実名主義理論は何を求めるもの」なのか、ということだ。実名だろうが匿名だろうが、個人がしっかりしていれば問題ないような気が筆者はするのだが……。

 確かにビジネスが絡んだりすれば、実名の利便性はある。しかし同時に、限界やデメリットもあることが、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」のソーシャルネットワークの限界のひとつで指摘された。それは「人間関係の可視化」だ。FacebookやmixiなどのSNSでは、登録している「友達」が他人にも公開される。そこには深い関係の友達もいれば、ネットのみでの知り合いもいる。しかしはたから見れば全員「友達」で、関係は正確につかめない。川上氏の言うように、「そこで、余計なかんぐりが生まれたり、先入観が生まれたり、ミスリードが発生することもある」のだ。

 小林啓倫氏の医者と患者は「友達」になれるのか?も読んでほしい。医者と患者がSNS上で友達登録をした場合のメリット・デメリットだ。上手く活用できれば、薬師寺聖氏「イメージ AndAlso ロジック」の高齢化社会で、ITに何ができるのか?(1)安否のグレーゾーン状態での電話への対応のように、緊急時にすぐに対応できるような関係性を保つことができるだろう。しかし、小林氏の言うように「問題はそのような交流が生まれた際に、どのような影響が医者−患者の関係に及ぶのか? という点」だ。

自治体がFacebookを活用する時代

 国内のFacebookの利用者は300万人前後と言われており、まだ多いとは言えませんが、世界での利用者は6億人を超えたと言われています。世界での利用と同様に、日本でも進むとすれば、地域活性化のためのFacebookの活用も進んでいくのではないでしょうか。

 自治体のFacebookファンページの活用状況と今後の可能性について:『ビジネス2.0』の視点


 Facebookの成長が止まらない。斉藤徹氏「In the looop」のFacebookがついに6億人にリーチ、未制覇国も軒並み急増へや、mixi, Twitter, Facebook 2010年12月最新ニールセン調査 〜 Facebook堅調に300万人超、ページビューも大幅増を見ていただければ分かるとおり、急成長し続けている。日本の場合は先述の実名主義が壁となっている部分があるが、メディア露出が増えることでどうなっていくのか未知数だ。

 そんな中、企業だけでなく、地域の活性化にFacebookを使うところも出てきたようだ。林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」の自治体のFacebookファンページの活用状況と今後の可能性についてによると、すでに自治体の公式ファンページも登場している。紹介されている米子市は、「ネギ太」というゆるキャラを上手く活用しているように見える。Facebookは国内よりも世界に向けて発信しやすいツールだとすれば、観光誘致などにFacebookを使うケースはこれから増えていく可能性がある。国内ユーザーは300万人前後でも、世界では6億を超えたといわれるFacebook。林氏が指摘するように、「世界での利用と同様に、日本でも進むとすれば、地域活性化のためのFacebookの活用も進んでいく」のは間違いないだろう。

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