“大公開”時代の到来――ソーシャルメディアが生んだものオルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年02月25日 17時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

Facebookに何が起こっているのか

 多くの方から、友達リクエストにOKの返事を頂きましたが、なんとその8割から「実は、Facebookを始めたばかりです。」と言うコメントが返ってきました。

 今Facebookに何が起こっているのか?


 筆者は「ソーシャル・ネットワーク」を見てFacebookを始めようとする人は、日本では少ないのではないかと予想したが、実際は違ったようだ。例えば、一瀬宗也氏「島ナイチャーの沖縄探訪」の今Facebookに何が起こっているのか?というエントリーでは、映画を観た後、解説本を購入して、それまで登録はしたものの放置していたFacebookを使い始めたことが書かれている。そして、友達を探して、片っ端からリクエストしたところ、上記のような返事が返ってきたという。映画の影響は侮れないと感じさせられた。

 なぜFacebookは、こんなにもユーザーを獲得していくのだろうか。既存メディアが取り上げたことだけが理由ではないだろう。メディアに大々的に取り上げられながらも普及しなかったWebサービスはいくらもある。以下のエントリーを読むと、何か見えてくるかもしれない。

ブロガー ブログ Facebookブームの理由を考察した
金子憲太郎氏 People behind Web ソーシャルメディアへの関心は信用への再帰
斉藤徹氏 In the looop なぜ、Facebookだけが、キャズムを楽々と超えるのだろうか?
高橋誠氏 点をつなぐ 『フェイスブック 若き天才の野望』感想

 成長中であるFacebookだけに、関連本を執筆中のライターにとっては頭が痛いようだ。上田修子氏「実践!SixDegree」の新しいFacebookページをさくっと解説(2011年3月10日に何が変わる?!)では、「機能が日々、洗練されることはすばらしいですが、ライター泣かせですね」と、その一端を垣間見せてくれた。

 Facebookを始めたからといって、ブログやTwitterなどをやめるわけにはいかない人も多いだろう。使い分けが必要になるのだ。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」のTwitterとFacebookの使い分け? でもその前に。では、「浅い付き合いはTwitter、少し深い付き合いはFecebookという使い分けのポイントが目立つ」としている。しかし、サービスが増えたからといって、インターネットを利用する時間が増えるわけではないので、必然的に使う頻度が減るサービスがあるようだ。最近、Twitterにハマってブログを書かなくなったブロガーも一般的に多いようだが……。

 気になることも出てきたようだ。大木豊成氏の「Facebookのファンページ作りましょう」という誘いに乗る?では、「最近やたらと『Facebookに御社のページを格安で作りますよ』という営業が増えて」いることが紹介されている。しかも、「こういった営業をかけてくる方々の多くは、どうもマーケティングそのものを理解されていない、というか、知識がない」というから驚きだ。「映画の影響はさほどないと思っていた」大木氏も、「どうやら営業する人が増えた、という影響があった」と感じたようだ。

“大公開”時代の到来

 Googleの現CEO Eric Schmidt氏がどこかで言っていたように、もはやプライバシーは無いのかもしれません。

 大公開の時代:路の上で


 若杉尚氏「路の上で」の大公開の時代に、興味深い一節があった。それは、「TwitterのTweetをつぶやきと訳した発想は素晴らしいですが、勘違いも与えてしまった」という部分。“つぶやき”といえば、独り言程度に思う人が多いだろう。しかし実際は、「Twitterは世界中から見えてしまうだけでなく、記録が残って後から振り返り(検索)できます。誰がいつ見るか分かりません」。この認識の甘さが、福田浩至氏「ショック・アブソーバー」の急増する「社員発」炎上事件。その対応策と予防策でも紹介された各種炎上事件を誘発しているのだ。

 若杉氏は言う――「Tweetするときは、誰にも見られることを意識(自制)すべき」と。さらに現在は、位置情報サービスやGoogleストリートビューなどで、自分のいる場所が知らぬ間に全世界に公開されてしまう可能性もある。「今は家の中まではのぞかれていませんが、機器の使い方からトレースされたりするかもしれませんね」。

 大航海時代ならぬ大公開時代がやってきたのかもしれない。

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