「Cloud 2」時代に向けたオープン・プラットフォーム戦略、セールスフォース

セールスフォース・ドットコムは2月28日、同社のオープン・プラットフォーム戦略を説明する記者会見を開催した。

» 2011年02月28日 19時18分 公開
[唐沢正和,ITmedia]
salesforce110208_01 米セールスフォース・ドットコム プラットフォーム担当シニア・バイスプレジデントのバイロン・セバスティアン氏

 米セールスフォース・ドットコム プラットフォーム担当シニア・バイスプレジデントのバイロン・セバスティアン氏は、オープン・プラットフォーム戦略を展開する上での市場背景として、「Cloud 1」から「Cloud 2」への大きなパラダイムシフトがあると説明する。「次世代の『Cloud 2』は、ソーシャル、モバイル、オープンがキーワードだ。企業においては『Cloud 2』のプラットフォームが強く求められるようになってきている」

 同社が提供するオープン・プラットフォーム製品の中核となるのが、アプリケーション構築のためのクラウドプラットフォーム「Force.com」だ。「Force.com」は、ハードウェアやソフトウェアを導入することなく、ビジネスユーザー自身の手でビジネスアプリケーションを開発し、運用できるツールとアプリケーションのセット。これにより、「従来よりも5倍速く、また半分のコストでアプリケーションを構築できる」(セバスティアン氏)。

salesforce110208_03 「Force.com」は5倍速く、半分のコストでアプリケーション構築が可能

 「Force.com」を構成するツールおよびアプリケーションは、ビジネスアナリスト向けの「Appforce」「Siteforce」と、プロフェッショナル開発者向けの「VMforce」「Heroku」の4つ。

 「Appforce」は、部門レベルのアプリケーション構築サービス。「Siteforce」は、データリッチなWebサイトをスピーディーに構築・運用できる環境を提供する。「VMforce」は、エンタープライズJavaアプリケーション構築のためのクラウドプラットフォーム。「Heroku」は、Rubyアプリケーション構築向けのクラウドプラットフォームである。このほかに、「Force.com」で構築した商用アプリケーションをすぐにISVに提供できる「ISVforce」も用意している。

 「Heroku」は、今年1月に同社が買収を完了したばかりの製品である。セバスティアン氏は「HerokuはRubyベースのアプリケーション構築におけるNo.1プラットフォームである。すでに、12万のアプリケーションが展開されている」とし、今後の「Cloud 2」時代において重要な役割を担うプラットフォームであることを強調した。

 また、同社では、「Cloud 2」のために構築した初のエンタープライズデータベースとして「database.com」を提供している。「database.com」は、従来のエンタープライズデータベースの機能と、クラウドコンピューティングのテクノロジーを融合し、ハードウェア/ソフトウェア不要で、あらゆる言語、プラットフォーム、開発者にオープンなデータベース環境を提供するという。

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