ボランティアの情報も一部だが紹介しておきたい。なお、ボランティア参加にあたっては注意すべきことがあるので、慌てず、まずは本連載の「第3回 震災におけるメンタルヘルスとボランティア」を読んでほしい。
支援の輪が広がっている一方、首都圏では買い占めによる品不足が問題となっている。ここで申し上げたいことは、悪しき「買い占め」を「備蓄」と言い訳しないでほしいということだ。
備蓄とは、災害前のリスク管理として計画性を持って行うものだ。災害後の危機管理において、多くの品物を買うことは、備蓄のつもりでも単なる買い占めだ。あなたが焦って商品を買えば、被災地に回るはずの救援物資がそれだけ減る。首都圏のガソリンスタンドも売り切れ閉店が続出している。
スーパーに行ってみて分かることだが、カップめんとティッシュだけ買っておけば安心、という偏った危機意識があるようだ。保存の利く、例えば、ジャガイモのような野菜や食品は山積みになっていた。要するに、勝手な買い占めをする人たちが、スーパーの欠品のある棚を生み、それがさらに不安心理をあおる愚行だ。被災地では、1個のジャガイモすら手に入らず困っていることを忘れないでいてほしい。
さて、本題に入ろう。今回は、ある被災企業(福祉介護関連の企業)の話を紹介したい。復旧・復興へ向けて忙しい中、多数の内部資料とともに現状を話してもらった。迷惑がかからないよう会社や関係者の名前は伏せたい。
福祉介護関連の企業でも、緊急時は救命第一で医療中心の対応がなされる。今回の震災でも、トリアージにより医療対応がなされた。トリアージとは、負傷者を重症度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めることだ。多数の傷病者が一度に発生する特殊な状況下において、現存する限られた医療資源の中で、まず助かる可能性のある傷病者を救命し、社会復帰へと結びつけることにトリアージの意義がある(出典は横須賀市医師会)。
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