デスクトップ仮想化に対するユーザーの期待度は?ITmedia リサーチインタラクティブ 第10回調査(2/3 ページ)

» 2011年04月05日 08時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

デスクトップ/アプリケーション仮想化の導入先

 デスクトップ/アプリケーション仮想化を導入している企業や今後導入する予定(「導入検討・評価段階である」企業含む)の企業は、主にどの部門を対象としているのだろうか。デスクトップ/アプリケーション仮想化を導入済みの企業と導入予定の企業別に、その結果をまとめたのが図5である。

図5:アプリケーション/デスクトップ仮想化の適用部門(複数回答/有効回答:89件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ/ITR(2011年3月)

 導入済み/導入予定の企業ともに最も多かったのは「情報システム部門」でそれぞれ57%、50%だった。また、導入済みの企業では「開発・製造部門」(35%)が続いた。CADの設計データやプログラムなど機密情報の漏えい洩を防ぐ手段として、クライアント仮想化ソリューションを導入していると想定される。

 一方、今後導入予定の企業では適用部門として情報システム部門の次に「営業・販売・サービス部門」(40%)が挙げられた。非IT関連企業(保険の渉外担当などが想定される)のこれらの部門では、顧客情報などの情報漏えい対策としての手段として導入を検討していることが予想される。だが、現状としては、どちらのケースでもまず情報システム部門で有用性を検証するフェーズにあることがうかがえる結果となった。

デスクトップ仮想化のメリット/デメリット

 デスクトップ仮想化について、どのようなメリットを重要視しているかを尋ねた結果が図6である。約半数が、一般的にメリットとして強く訴求されている「セキュリティの向上(情報漏えい対策など)」(56%)と「クライアント環境の運用管理コストの削減」(50%)を挙げた。

 しかし、「PCリプレースおよびOS移行コストの削減」(55%)が2位となった。Windows XPの延長サポートの期限があと3年(2014年4月まで)となり、多くの企業がWindows 7への移行を進めている中、Windows 7(および付帯するInternet Explorer 8)で動作しないクライアント/Webアプリケーションの改修コストを検討する際に、このメリットを重視する向きがあるようだ。

図6:デスクトップ仮想化導入のメリット(最大5つ選択/有効回答:174件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ/ITR(2011年3月)

 図7は、図6の結果を導入状況別に見たものである。導入済み企業と導入予定の企業で、大きな差が現れたのが「クライアント環境の運用管理コストの削減」と「ワークスタイルの変革(どこでも、どの端末からでも自分のデスクトップにアクセス)」だった。導入予定の企業での選択率が、導入済み企業の選択率より10ポイント強高い。また導入予定がない企業では、「ワークスタイルの変革(どこでも、どの端末からでも自分のデスクトップにアクセス)」をメリットと捉えている比率が低く、導入予定の企業と比べると約16ポイント低い結果だった。

図7:デスクトップ仮想化導入のメリット上位5項目(導入状況別/有効回答:174件) 出典:ITmedia リサーチインタラクティブ/ITR(2011年3月)

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