震災を“風化”させないためにオルタナブログ通信(3/4 ページ)

» 2011年04月08日 18時06分 公開
[森川拓男,ITmedia]

有事に備えた予行練習の必要性

 普段から予行練習を行っている場合でも有事はうまく動かないことが多いのに、予行練習を行っていないのであれば、ほぼ有事に稼働しないと思います。

 BCP、災害対策用システムには仮想環境が必須であると思う件:ベンチャービジネス千里眼


 今回の震災に関する報道でよく聞かれる言葉が、「未曽有」であり、「想定外」であった。システムなどは災害なども想定して作られているが、その予想をはるかに超えたものが来てしまったということである。

 しかし、それ以前に問題があるのではないかと考えさせられたのが、吉政忠志氏「ベンチャービジネス千里眼」のBCP、災害対策用システムには仮想環境が必須であると思う件というエントリーだ。吉政氏は、「災害に備えた予行練習をシステム面で行っているかどうかお聞きしても、実際に行っている会社はかなり少なかった」、そして冒頭の言葉を思い出したという。これは、あらゆることに共通する問題ではないだろうか。

 高橋誠氏の防災意識の話は、書店に設けられた地震本コーナーを見、ミーティングでの防災意識についての話を聞いて、「自分は大丈夫という根拠なき自信を持っていて、結局はなるようになるしかないと思っているので、今まで防災意識は特に持ったことはなかったのですが、多少でも持っておいたほうがよさそう」だと認識を新たにしている。筆者も、いざというときの準備をしていなかったが、見直さなくてはと強く感じた。

 そして、佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」のサバイバルバッグに入れる本にも注目。サバイバルバッグに入れるものとして、水や食料、ラジオに懐中電灯などと並んで「本」が含まれているという。

ソーシャルな何かに通じる東電記者会見

 東京電力の記者会見が、今までとは打って変わって非常に静かに開催されました。例の停電絡みと原発絡みで非常に荒れたことはすでに各所で報じられていますが、それまでと違ったところはただひとつ。社名と氏名を明かしてから質問する、という条件がついたこと。なんだ。名乗るのが条件だと動けなくなるの?

 静かになった東京電力の記者会見にみる、実名では質問ができないの?という話:THE SHOW MUST GO ON


 震災以降、政府と並んで会見を繰り返しているのが東京電力だ。しかし、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」の真実・本音にあるように、「東京電力や政府の会見や情報の出し方を見て、その複雑さ難しさを感じてしまう」。それは、「東京電力や政府の原発対応。真実や本音を知っているのか。その上で、どう何を覆いを被せているのか」ということだ。川上暁生氏は「それを引っぺがすのも、私たち国民の目であり声だと思う」と指摘している。

 だが、この東京電力の会見で、ある変化が起きていた。岩永慎一氏の静かになった東京電力の記者会見にみる、実名では質問ができないの?という話で、冒頭の話が紹介された。岩永氏は、「ある意味、ソーシャルな何かに通じるところがある気がします」と指摘。「個人として誰かを特定できないところの功罪の1つであるという言われ方をすることがありますが、なんだかそれに通じるところがあるような気がします」と言う。

 そして注意したいのが、竹内義晴氏「竹内義晴の、しごとのみらい」の東京電力、みずほ銀行……今、目を向けてほしいたった1つのことで指摘された点。「企業の体質を議論するのも大切ですが危険も顧みず、寝る間も惜しんで現場で働いているエンジニアのみなさんにもっと目を向けてほしい」ということだ。事故は会見場で起きているのでない。現場で起きているのだ。そして、「普段、直接現場に立っていない人にとって「危機的状況の今、現場で作業せよ」と言われても何をしたらいいのか分からないのが現実ですしもっとも早く問題を解決できるのは、現場で関わっているエンジニアたち」なのだから。

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