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» 2011年05月11日 11時00分 UPDATE

名カウンセラーとなれ 福岡の通販企業が実現する顧客サービスとは (1/2)

化粧品や健康食品などの通販事業を手掛けるJIMOSでは、年初にコンタクトセンターの基盤システムを刷新。顧客に対するサービスレベルのさらなる向上を図る。

[伏見学,ITmedia]

 少子高齢化によって日本の消費者人口が減少の一途をたどる中、多くの企業は改めて顧客サービスの重要性に立ち返りつつある。固定顧客をよりいっそう大切にするとともに、商品やサービスをリピート購入してもらえるよう、各社ともさまざまな取り組みを行っている。

 福岡・博多を代表する祭り「博多祇園山笠」の中心舞台である櫛田神社のほど近くに本社を構えるJIMOS(ジモス)も、1998年の創業以来、カスタマーサービスの品質にこだわってビジネスを展開してきた1社だ。

JIMOS コーポレート本部 情報システム部 アシスタントビジネスディレクターの磯野公嗣氏 JIMOS コーポレート本部 情報システム部 アシスタントビジネスディレクターの磯野公嗣氏

 主な事業内容は「通販事業」と「通販支援事業」。通販事業では、化粧品や健康食品といった「美と健康」をテーマにした商品に加えて、九州の名蔵元から取り寄せた本格焼酎などの酒類を販売する。通販支援事業では、新たに通販事業に参入したいという企業に対し、同社がこれまで培ったマーケティングや広告、CRM(顧客情報管理)などのノウハウを提供している。通販の新規参入はハードルが高いため、「コンタクトセンターの運営も含めて、顧客から一事業すべてを請け負っているケースも多い」と、JIMOSのコーポレート本部 経営管理部 部長を務める松尾義清氏は説明する。

 同社が強みとするのは、徹底した顧客第一主義である。同社が運営するコンタクトセンターでは60〜80人がオペレーターとして勤務しており(座席数は150)、商品注文や問い合わせに関するコール件数は1日で2000件に上る。従って、オペレーターのコール処理数は平均で数十件となるわけだが、あたかも一人一人の顧客に対して専任で担当しているかのようなサービス提供を心掛けている。

 そうした取り組みに力を入れているのは、扱う商品にも関係している。化粧品や健康食品は、ユーザーごとに嗜好や効果が異なるため、まずはユーザーの悩みを聞いて、それを解決するようなカウンセリングの役割がオペレーターには求められる。「顧客と密なコミュニケーションをとり、長く愛用してもらえる最適な商品をお薦めする。単に商品を売り込むのでは駄目なのだ」とコーポレート本部 情報システム部 アシスタントビジネスディレクターの磯野公嗣氏は強調する。

 ユーザーのカウンセラーとなるためには、当然オペレーターは商品を熟知しなければならない。同社が取り扱う化粧品は現在160点で、毎年新たに20〜30点発売されるため、集合研修や個別トレーニングなどで商品知識を身に付けているという。

センター効率化のためにはシステム刷新が不可欠だった

 ただし、いくら優秀なオペレーターを育成したとしても、例えば、人によって処理するコールの量に大きなばらつきがあるなど、コンタクトセンターの業務が非効率なものであれば、“宝の持ち腐れ”となりかねない。JIMOSでは、そうした事態を防ぎ、コンタクトセンターの効率的な運営を目指すべく、従来からその基盤となるシステムの強化を図ってきた。顧客ニーズが高まる中、さらなるサービスレベルの向上を目的に、この春に大幅なシステム刷新を断行した。

 システムの刷新に踏み切った背景には、複数の課題が存在していた。まずは「老朽化」である。既存システムは導入から5〜6年経過していて、いくつかの機能でメーカーサポートが切れていた。仮にシステムが故障してもメーカーにパーツはないため、復旧までのリードタイムが長くなることが想定された。

 次は「運用コスト」の高さだ。同社は毎月さまざまなキャンペーンを打っていくため、それに伴い現場のチーム編成も変化する。その際にコンタクトセンターのレイアウト変更が必要になるわけだが、既存システムはIP回線ではなくアナログ回線だったため、電話機をすべて再配置、再配線するなどで、1回当たり数十万円のコストが発生していた。また、センターの拡大で増席したり、事業を多拠点で展開しようとしたりすると、数千万円規模でコストがかかってしまうという。

 さらには、「システムの運用」にも課題を抱えていた。既存システムは“ブラックボックス化”されており、例えば、自社で追加開発したいと思っても、メーカー研修を受けなければ手を加えられるようなものではなかった。「システムの中身が分からないので、(効果的な活用方法など)新しいアイデアも生まれてこなかった」と磯野氏は振り返る。

福岡本社にあるコンタクトセンター。オペレーターの制服デザインなど、社員のアイデアが事業に反映されることも多いという 福岡本社にあるコンタクトセンター。オペレーターの制服デザインなど、社員のアイデアが事業に反映されることも多いという
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