iPad2はサクサクでヌルヌル、でもカメラに期待してはいけないオルタナブログ通信(3/4 ページ)

» 2011年05月13日 16時51分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 さて、リスクについてあらめて考えてみたい。新倉茂彦氏の【リスク】「幅・深さ・影響」の定義がむずかしい? 小学生にも分かるようにリスクを「うんち」で説明をするならば・・・では、「定義を共有するならば、『共通言語』と『小学生にも分かるような』簡単で基本的なことが最も必要」と考えているといい、実際に「小学生にも分かりやすい事例」を紹介している。

 稲川卓治氏「Godspeedな生活」の「リスク」っていうがよく分からないので調べてみた 〜リスク学があるらしい〜では、文献に当たって「リスクについて、ちょっと調べてみた」という。続いてリスクへの過大評価におけるウチの妻の判断 〜プロスペクト理論で見る〜では、「消費者行動から見た」リスクについて考察した。

 リスク管理といえば、いまの時代、ソーシャルメディアについて考えないわけにはいかないだろう。熊沢拓氏「ソーシャルメディア・マニフェスト」の日本企業のソーシャルメディアポリシー、このままで本当にいいの?では、「ソーシャルメディアポリシー」について、リスク回避の否定ではなく、「より積極的にプラス面を引き出すポリシー策定を目指すべき」という提案をしている。また、ソーシャルメディアIn-Depth Report:ソーシャルメディアポリシー25項目のベストプラクティスでは「Brian Solisがソーシャルメディアポリシーの25項目のベストプラクティスをまとめています」として訳したものを紹介している。「ポリシーにはリスク回避的な項目も含まれますが、人間らしくあれとか、価値提供を考えよとか、対話により、より積極的に協同で価値を生み出す方向性を示している点が示唆的だ」という。参考になるのではないだろうか。

起業とリスク管理

 1000億円以上の借金を抱えていた方でも、今でも元気に事業をやってらっしゃるのですから、たとえ大きな失敗をしたところで、死ぬ必要はまったくないということです。とはいえ、大きな失敗はしないにこしたことはないので、リスクを恐れずに、リスクを最小にできるように管理することは大事だと思います。

 リスク:大切なのは失敗しても死なないこと:点をつなぐ


 リスクの話の中で興味深かったのは、高橋誠氏「点をつなぐ」のリスク:大切なのは失敗しても死なないことで紹介された、小飼弾氏の質疑応答の1コマ。「原子力発電はなぜダメなのか?」という質問の答えは「失敗マージンがないので、大失敗したときに人間の手に負えなくなるから」。そして、「起業に失敗はつきものだけど、大切なのは失敗しても死なないことだという話」になったという。

 高橋氏は、「起業前に考えた事業計画通りにうまくいくことはまずあり得ないわけで、大事なのはリスクをとらないことではなく、きちんとリスクを管理して、たとえうまくいかないことがあっても、大きな失敗をして首が回らなくなるようなことをなくすことが大切だ」と指摘。そして、バブル崩壊やリーマンショックなどで「1000億円以上の借金を抱えていた方でも、今でも元気に事業をやってらっしゃる」ケースを紹介し、「たとえ大きな失敗をしたところで、死ぬ必要はまったくない」という。もちろん「大きな失敗はしないにこしたことはないので、リスクを恐れずに、リスクを最小にできるように管理することは大事」だということも書いているが。

 合わせて読んでいただきたいのが、「無理」は人の心がつくるものだ。「何歳になっても年齢を言い訳にせず、自分の可能性に向かってチャレンジしていける人間でいたい」という高橋氏の思いは、筆者も同じだ。

 今回の震災は企業にも大きな影響を与えた。

 岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の身の回りを見渡して、自分や自分の家族にとって何が本当に必要なのかを考えてみるゴールデンウィークと「失われる10年」論では、「3.11が『失われる10年』の入り口になっちゃうんじゃないのかなという事がどうしても気になってる」という。「物事を悲観するだけでは無い」とも書いているが、それが実感という人も多いかもしれない。

 伊藤靖氏のベンチャー企業は震災後のいま何を目指せばよいのだろうかでは、「被災地では、志半ばでベンチャー企業であり続けることを断念せざるをえなかった多くの経営者と従業員がいる。ベンチャー起業を創造するという夢を断念せざるをえなかった多くの起業家もいる」ことを示しながら、「ベンチャー企業であり続けることができる企業は、いつまでも喪失感などに浸っていられないということだ。ベンチャー企業は経済活動を止めてはいけない。震災後に目指すべきものは、その後に見つかるのかもしれない」とまとめている。やはり前向きに行くべきなのだ。

 そして、アメリカ在住のオルタナブロガーは、新たな動きを行った。佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」はまた会社を興しちゃいましたというのだ。もちろん、点がつながっていく感じにあるように、「ビジネスプランでばら色の世界を描きつつ、それを実現するための生みの苦しみは、それほど甘くない」が、ぜひ日本でも、このような動きが出てきてほしいものだ。

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