今回の「オルタナブログ通信」は、5月19〜25日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から、「Facebook」「いいね!」「在宅勤務」などといったテーマを紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしていただければ幸いだ。
まずは、5月19〜25日を5月3週とした、過去8週分のオルタナティブ・ブログへの投稿状況グラフを見ていただこう。
投稿総数が右肩上がりになっている。新たにオルタナブロガーに加わった、ループス・コミュニケーションズのインターンたち――名付けて“ヤング☆ジェネレーションズ”の参加は要因の1つだろう。彼らの活躍に注目だ。
ヤング☆ジェネレーションズ | ブログ |
---|---|
小俣剛貴氏 | 「Office WADE」 |
川下武氏 | 「Startup Knews」 |
佐々木真氏 | 「GREAT GEEKS」 |
正路盛也氏 | 「Evention」 |
原田康平氏 | 「Social Media Value for Sports」 |
続いて全エントリーのキーワードランキングを見ていこう。
順位 | キーワード(カテゴリー) | エントリー数 | 先週順位 |
---|---|---|---|
1 | ビジネス | 60 | →(1) |
2 | 社会 | 52 | →(2) |
3 | イベント | 49 | →(3) |
4 | ストリーミング・動画 | 27 | →(4) |
5 | 雑感 | 20 | ↑(9) |
6 | 17 | →(6) | |
7 | テクノロジー | 15 | ↑(9) |
ソーシャルメディア | 15 | ↓(5) | |
9 | 書評・本 | 14 | ↓(7) |
10 | 11 | ↑(13) | |
マーケティング | 11 | ↑(11) | |
ベスト4は、ほぼ固定といった感じになった。「雑感」が5位に上がったのはともかく、「Facebook」や「マーケティング」が同率10位に入ったことに注目。いまが旬の「Facebook」の動きが気になるところだ。10位以下には12位には「グローバル」(9)、同率13位に「モバイル」「Web」「音楽」(7)と続いた。
それではオルタナブロガーが5月19〜25日にどのような話題を取り上げたのか、振り返ってみたい。
Facebookのユーザー数は3月、4月は前月比10%以上の伸びを示していたのが、今回の5月14日現在の発表では、前月比で1.3%の減少となったとのこと。
斉藤徹氏「In the looop」のmixi, Twitter, Facebook 2011年4月最新ニールセン調査 〜 デモグラフィック分布比較もプラスしましたで、興味深いデータが紹介された。「震災の影響でソーシャルメディア活用が劇的に増加した3月と比較すると、4月度は3サービスいずれもアクセスを減らしたことが分かった」というのだ。ここでいう3サービスとは、mixi、Twitter、Facebookである。「注目のFacebookが減少に転じたのは初めて」というが、同時に「3月は震災の影響が極めて大きかったことがはっきりと視覚化される結果」でもある。なお、「このデータはあくまでPCを前提とした訪問者数であり、携帯利用者を含まないこと、非会員を含んでいること」に注意が必要である。
これとは別の調査であるが、高橋誠氏「点をつなぐ」も、日本のFacebookのユーザー数が微減したらしいと紹介している。なお、「このユーザー数はFacebookの広告ツールを使った推計とのことで、アクティブユーザー数ではなく、登録しているユーザー数だと思われる」というが、実に興味深い結果である。高橋氏も指摘するように、書店では「Facebookの関連本が多数出てきて盛り上がっている」のを感じているからだ。もちろん、盛り上がっているように見えるのは「Facebookをビジネスのタネにしようとしている方々」の仕掛けもあるかもしれないが、コメントに寄せられたように「使いづらい」「分からない」という意見があることも確か。かくいう筆者も、登録はしたもののイマイチ使えていない一人である。
寄せられたコメントを受けて高橋氏は、Facebookは弱いつながりを維持しながら交流を深めるのに適したツールというエントリーを書いている。使いにくさ、分かりにくさについて「確かにそのような面はあります」と認めた上で、「多少使いこなせるようになると面白くなってくるので、やめてしまうのはもったいない」とし、「Facebookを楽しむために心掛けているポイント」を紹介してくれているので、参考にしたい。なお、ここで高橋氏がまとめたポイントは、一般的なFacebookユーザー向けのもので、ビジネス利用に関しては「詳しい人たちがいっぱいいますのでおまかせします」とのこと。
Facebookに関する書籍も執筆している上田修子氏「実践!SixDegree」は、Facebook関連のエントリーを多数書いている。特に気になったのはFacebookの知らない人からの友達申請対策(実は友達承認しなくても近況は読まれている)だ。上田氏の場合、「基本的に知らない人からの友達リクエストを承認しない」ので、「知らない人から友達申請が来た場合は(中略)個人名でFacebookページを持っており、こちらにご案内」しているという。「ブログやTwitterなどで情報発信していて、自分のファンを増やしたいと考えている人は、そちらに誘導するのがいい」ということだ。「著名人でもあるまいし、自分の本名でFacebookページを持つのもどうかしらと躊躇している人はハンドル名(ネット上のニックネームなど)で開設するのもいい」だろう。
初耳だったのは、「友達申請をいただき、承認しなかった方のニュースフィードにも実は自分の近況が表示される」という仕様だ。つまり「友達にならなくても申請さえすれば公開された近況を読むことができる」ということだ。
安易に友達承認しないからと安心し、プライベートな近況などを公開設定で書いている人は注意が必要だろう。上田修子氏は、「基本的にはプライベートな近況を『友達のみ』に指定して、投稿し(中略)、イベント告知など広く知ってもらいたい内容は『すべてのユーザー』を指定」するという。これは参考になるだろう。
川上暁生氏「WBI コンシェルジュの Try ! & Error ?」はFacebook の実名性の高さからくる一つの傾向を指摘。「Facebookでコミュニケーションを取れれば楽なんだけど、できないなぁと思われるグループと言うか属性と言うものもある」ということだ。
「一つは、ビジネスとは関係のない地域のコミュニティやサークルなど」で、「ほとんど、登録されていない」。しかも、「探しにくい、見つけられない」という。
「もう一つは、大企業の人」で、「企業でのルールがあるかもしれませんし、そもそも、会社のネットワークからFacebookにアクセスできないようになっている」ところもあるだろう。
川上氏はこれらの傾向から、Facebookを使うのは「個人のレベルのビジネスを展開している人」が多く、「プライベート中心の人」はFacebookよりもmixiなどを使う傾向が高く、「大企業や公共性の高い人」はFacebookを活用する必要性を感じていないのではと、分析している。
しかし困るのは、「情報を共有にFacebookを活用しようとして、共有したいメンバーの一部が、Facebookに登録されていないような場合」で、Facebookの利点が薄れてしまうことだ。
Facebookに限らず、「何かのコミュニティを作ろうとしたとき、その基盤をどこに置くかいつも悩みます。できれば、同じ基盤にしたい」という川上氏の悩みが解決される日は来るのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.