ENEOSグローブが仮想デスクトップを導入、業務継続性を強化導入事例

シトリックスは、ENEOSグローブにXenDesktopとMicrosoft Hyper-Vなどをベースとした仮想デスクトップシステムを提供したことを発表した。

» 2011年06月13日 12時14分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 LPガス元売り大手のENEOSグローブは、円滑な組織統合や災害時の業務継続の手段として仮想デスクトップシステムを導入した。システムを提供したシトリックス・システムズ・ジャパンが6月13日に発表した。

 ENEOSグローブは、JX日鉱日石エネルギーのLPガス事業と三井丸紅液化ガスの統合で、3月1日に発足。デスクトップ仮想化の導入は、旧・三井丸紅液化ガスで2010年春に検討が始まり、大規模災害や伝染病などの発生で、従業員が出社できない状況でも業務を継続できる環境の整備が目的であった。社外からのアクセス手段が多様でありながら、データを社外に持ち出せないセキュリティの確保が可能な手段として注目したという。

 2010年10月にXenDesktopの採用を決め、11月から具体的な設計作業を開始し、2011年2月末までの4カ月間で検証や構築などを含む全ての作業を完了。システム構築は日本オフィス・システムが担当した。構築されたシステムは、Citrix XenDesktopやMicrosoft Windows Server 2008 R2 Hyper-Vなどで構成され、仮想化された数百台分のコンピュータにインターネット経由でアクセスして利用する。またサーバの仮想化も併せて実施し、7拠点に分散設置していたファイルサーバをデータセンターに集約した。メールシステムもLinuxベースのマシンから、仮想サーバによるMicrosoft Exchange Server 2010に移行している。

 東日本大震災の発生後に実施された計画停電では、一部の社員が交通機関の乱れから出社ができなくなった。しかし、震災前に完成した仮想デスクトップシステムを自宅のPCから利用して、必要な業務を継続できたという。ENEOSグローブは、今後も事業継続の環境を拡充させるほか、システムの集約による省電力化も進めていくとしている。

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