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» 2011年06月17日 08時30分 UPDATE

中堅・中小企業 逆境時の経営力:【第4回】組織を強くする人材活用術 (1/3)

人と金に余裕がないため、優秀な人材が集まらず、たとえ入社しても育成できないという点に中堅・中小企業の多くは悩みを抱えている。どうすればよいのか。

[倉澤一成,日本総合研究所]

いかにして人材を獲得するか

 これからの中堅・中小企業は、大企業のバリューチェーンにおける一構成要素という位置付けから、独自の強みを持つ存在へと転換することが求められる。グローバル化の進展により競合企業がさらに増加し、価格、品質の両面において、競争力の高い海外企業との差別化が不可欠になるからだ。

 企業として伸ばしていく事業の方向は見えたとしても、それを具体化する上で、最終的に問題となるのが人材である。たとえ既存事業の延長であっても、さらに別の視点からアプローチできる人材が必要になり、新規事業ともなれば、まったく新しい発想が求められる。どちらにしても、実行できる人材がいないという問題になり、結局は、今いる人材を前提にした範囲のことしか選択できなくなる。

 大企業であれば、時間をかけてでも着実に実行していけば、事業成長が見込めるかもしれないが、中堅・中小企業においては、いかに先行者利益を得るかが重要となる。大企業でさえ、自前主義でなく、M&A(企業の買収、合併)や中途採用によって人材を調達し、新たな展開を図っていることが多い。中堅・中小企業でも、早期に事業を立ち上げるため、どうやって時間を買えるか(=有能な人材を獲得できるか)が、極めて大きなテーマとなる。

 では、優秀な人材をいかに獲得するか。中堅・中小企業の弱みは、大企業と比べて経営資源が少なく、特に人と金に余裕がないため、優秀な人材が集まらず、育てられないという点である。

 この弱みを強みに転換するためのキーワードは、「志」や「思い」である。すなわち、会社として目指すものであるビジョンや経営理念である。これらを提示して、意気に感じるような人材を獲得し育成することで、人材不足を解消していく。

 現有の人材に関しても、会社の方向性を提示していくことで、組織としての一体感を醸成し、何をすべきかを自律的に考える強い組織にしていく。ここでも成長機会の提供と人材育成の支援が必要になることは言うまでもない。

中堅・中小企業の人材獲得における3つのポイント

 中堅・中小企業の人材獲得に必要なポイントをまとめる。

(1)前提としての経営理念、ビジョン作り

(2)意気に感じる人材との接点(社外人材)強化

(3)経営理念を社内で浸透させる仕掛け作り(経営理念共有、成長機会提供、人材育成支援)

 以下では、これらを実践していくための留意点を述べる。

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