シマンテック、「Symantec Endpoint Protection 12」を正式発表 4年ぶり新版

シマンテックは、企業向けエンドポイントセキュリティ製品の最新版「Symantec Endpoint Protection 12」を発表した。今年後半に販売を開始する。

» 2011年06月21日 14時00分 公開
[ITmedia]

 シマンテックは6月20日、企業向けエンドポイントセキュリティ製品の最新版となる「Symantec Endpoint Protection 12(SEP 12)」を発表した。4年ぶりのメジャーアップデートとなる同製品の発売は今年後半の予定。新規購入価格は1ライセンス当たり9500円(税別)となっている。

 SEP 12は、レピュテーションベースの脅威検出技術「Insight」の採用や、仮想化環境でもシステムやネットワークへの負荷を最小限にとどめる工夫が施している点が特徴。5月にパブリックβを公開して、同社従業員の大半がパブリックβの試験に参加したほか、500社以上の企業もβテストに参加した。上記の特徴を体感できたとするフィードバックが目立つ結果になったという。

 パートナー企業のリコーITソリューションズが実施したSEP 12の技術検証によれば、スキャン時間が前バージョンのSEP 11に比べて大幅に短縮されること、また、仮想化環境での利用についてもシマンテックが採用した「共有インサイトキャッシュ」技術で仮想マシンに対する負荷が抑えられていることを確認できたとしている。

Windows 7環境でSEP 11およびSEP 12(Insightのオン/オフ)で比較したスキャン時間(左)と、Windows XPおよび7でのスキャン時間
共有インサイトキャッシュを利用した仮想マシンのスキャン時間。同技術は初回スキャン時にフルスキャンを行い、次回以降は安全なファイルのスキャンをスキップする。スキャン回数が多いほど、時間短縮が図られるという

中小企業にフォーカス

 河村浩明社長は、SEP 12の販売戦略について、パートナー企業への技術および営業の両面でのサポートを強化すると表明した。また、東日本大震災以降に中小企業の多くで在宅勤務の導入をきっかけにエンドポイント環境のセキュリティ強化を検討する傾向が強まっているとした。このため、SEP 12にリカバリ製品や、同社傘下のメッセージラボが提供するクラウドサービス「Symantec.cloud」を組み合わせた利用を企業顧客に提案していく。

販売戦略のイメージ

 パートナー企業として会見に参加した大塚商会の片倉一幸専務は、「過去数年にわたってシマンテックとのビジネスは順調に推移してきた。新製品は当社の多くを占める中小企業の顧客の支援につながる」とコメント。また、リコージャパンの窪田大介専務は、「中小企業顧客と中堅規模以上の企業顧客のそれぞれに、オンプレミス型とクラウド型による最適なセキュリティの組み合わせを提供できる」と期待感を示した。

 なおSEP 12の国内での発売日は、米Symantecから近く正式発表される見込みである。

SEP 12を発表した河村氏、片倉氏、窪田氏、シマンテック 執行役員の石崎健一郎氏(左から)

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