「誤操作」「紛失」が原因の個人情報漏えいが増加――JNSAが報告

日本ネットワークセキュリティ協会は、個人情報の漏えいに関する2010年版の最新報告書を公開した。

» 2011年07月01日 16時53分 公開
[國谷武史,ITmedia]
漏えい原因比率(件数) 出典:日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)「2010年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書〜個人情報漏えい編〜」

 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は7月1日、個人情報の漏えいに関するインシデントの動向を取りまとめた最新版報告書「2010年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書〜個人情報漏えい編〜」を公開した。

 報告書は報道された個人情報漏えいのインシデントの情報を集計・分析したもので、今回で9回目の発行になる。

 それによると、2010年は過去最高の1679件のインシデントが発生した。一方、漏えい人数は557万9316人と4年連続で減少。想定損害賠償総額は、前年より約2675億円少ない1215億7600万円だった。インシデント1件当たりの平均漏えい人数は3468人、同損害賠償額は7556万円だった。

 また件数ベースでの漏えい原因は、前年と同様に「管理ミス」「誤操作」「紛失・置忘れ」の3種類が上位を占めた。割合は「管理ミス」が前年に比べて14.6ポイント減少したものの、「誤操作」では8.3ポイント、「紛失・置忘れ」では4.7ポイントそれぞれ増加した。

 インシデント規模トップ10のうち5件はインターネット経由で漏えいしており、この5件で漏えい人数全体の約45%を占めた。漏えい規模が最も大きなインシデントは、不正アクセスが原因で発生した情報通信業での173万5841人だった。

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