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» 2011年07月12日 10時46分 UPDATE

Microsoft WPC2011 Report:パートナーのクラウドへの変革を強力に支援し続ける――Microsoft

米Microsoftのパートナー向けカンファレンス「WPC2011」が開幕した。初日の基調講演にはスティーブ・バルマーCEOら同社幹部が、クラウドを柱とするパートナー戦略を紹介した。

[渡邉利和,ITmedia]

 7月10〜14日の5日間の日程で、米カリフォルニア州ロサンゼルスのコンベンションセンターを会場に、Microsoft Worldwide Partner Conference 2011(MS WPC2011)が開催されている。ここでは、実質的な初日となった11日午前に行われた基調講演の模様をお伝えする。

世界19位相当の経済規模

 会期としては7月10日に開幕したWPC2011。だが、初日に設定されている日曜日は、開催地の地元に貢献するボランティア活動にあてられるのが通例となっているため、本来のイベントとしての開幕は11日の月曜日からとなった。その初日午前の基調講演は、これも通例となったCEOのスティーブ・バルマー氏を中核としたものとなった。

wpc001.jpg ジョン・ロスキル氏

 イベントのオープニングは日本の東日本大震災がテーマとなった。震災の被害の模様を伝えるテレビ報道の映像を織り交ぜつつ、日本デジタルオフィスが震災後に急ぎ開発した被災者相互の安否確認アプリケーション「J!ResQ」が、Windows Azureをプラットフォームとしたことで、迅速にサービス開始できたことが紹介され、来場者の大歓声を浴びていた。

 WPCは、全世界のMicrosoftのパートナー企業が一堂に会する、“世界大会”といった趣のイベントであり、こうした場で日本の話題がまず取り上げられるということに関しては、微妙な気恥ずかしさのような心情が沸く一方で、世界がいかに日本の状況に関心を寄せているかということを改めて確認できる機会となった。こうした状況にも関わらずWPC参加のために日本からやってきたと、イベントのホスト役を務めるCorporate VP of the Worldwide Partner Groupのジョン・ロスキル氏が日本のパートナー企業を紹介すると、来場者から喝采と歓迎を受けるという場面もあった。

 そのロスキル氏が強調したのが、同社のビジネスにおけるパートナーの重要性だ。同氏は、「Microsoftが1ドル稼ぐと、パートナーは8.70ドルを稼ぐ」という数字を紹介した。これはいわば、MSを中核とした“経済圏”の規模の大きさを示す数字だ。実際に同氏はこの“経済圏”の規模を世界各国のGDPと比較すると、(仮に単一国家の経済だったとみなせば)世界で第19位という規模に相当すると明かした。その上で同氏は、2011年を「Mobility/Cloud(モビリティとクラウド)」の年だと位置づけ、昨年からのクラウドを中心とした戦略が今年も継続することを強調した。

パートナーの成功こそがMSの成功

 続いて登壇したバルマー氏は、例年通りにパートナーに対する熱烈な感謝の意の表明から講演をスタートさせた。大きなアクションで全身全霊を傾けながら「パートナーが大好きだ。パートナーに心から感謝している」と語る同氏の姿は、会場を埋め尽くしたパートナーにとっても心強く響いたのは間違いないだろう。

wpc002.jpg 恒例のパフォーマンスでパートナーを出迎えたスティーブ・バルマーCEO

 同氏が、「クラウドへの旅路、クラウドへの変革をわれわれとともに歩んでくれる」パートナーに対する感謝を繰り返し表明しつつ、「変革(Transition)」という言葉を繰り返し使っていたのは、現実にはまだ米国を始めとする同社の主要パートナーの多くがクラウドビジネスへの完全な移行は成し遂げていないということの表われだろう。同社が本格的なクラウドへの変革をパートナーに向けて打ち出したのは昨年のWPC2010のことだったが、それから1年経った今年のWPC2011においても、「クラウドへの変革」が重要なメッセージになっており、“ビジネスモデルの変革”というのは言うほど簡単なものではないことが分かる。それと同時に、同社がパートナーの変革を支援するために払っている努力の大きさや“本気度”がうかがえる。

 続いて同氏は、Facebookとの提携、Skypeの買収といった企業動向から、Dynamics、Office 365、XBox/Kinectといった製品/サービスまで、最近の同社の取り組みを一通り紹介していったが、中でも興味深かったのが同社の検索サービスであるBingの強化に関するデモンストレーションだった。同氏は「検索に関して今までとは違ったやり方で取り組む」と語り、その意味はエンドユーザーが検索を実行する場合、検索結果が得られること自体で目的が達成されるわけではなく、検索した結果に対してさらに何らかのアクションを起こすはずなので、そこまでを統一的に支援していく、ということになるだろう。

wpc003.jpg ステファン・ウェイツ氏

 Bingのデモを行ったステファン・ウェイツ氏はレストランの検索の例を挙げ、レストランを検索する際に単純な検索を実行するだけでは数万件ものヒットが得られてしまうが、Facebookその他のソーシャルメディアとの連携によって評判の高い“お勧めレストラン”が絞り込めることを示し、さらに、検索されたレストランの「テーブルの空き状況」を表示し、希望の日時に空きがあればその場で予約を入れられる、というところまでを一連の操作で実行可能だというデモを行った。

 Web上の一連のサービスを緩やかに統合してユーザーにとってより便利なサービスを実現していく、という発想は以前のSOAPによるWeb Servicesにも通じるものだが、クラウドというプラットフォームを得て、より実用的な形でのサービス提供が可能になってきたことがうかがえる。なお、同社がBingに一貫して注力し続ける理由としてバルマー氏は、「検索はクラウドの最初のアプリケーションだ」と語っている。

 今回のWPC2011に関しては、特に目新しいニュースの発表などは今のところないようだが、パートナーをクラウドに向けて強力にリードしていく、という同社の強い意志が感じられる場となっていることは確かだ。バルマー氏は「パートナーの成功こそがMSの成功(Your success is our success.)」と語って講演を締めくくった。

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