ビジネス分析で「時間短縮」、日本HPがDWHアプライアンスを発表

日本HPは、2月に買収したVerticaの技術を採用したハイエンド向けと、中堅・中小企業向けのデータウェアハウス製品を発表した。

» 2011年07月12日 16時05分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月12日、データウェアハウス(DWH)アプライアンス製品「HP Vertica Analytics System」および「HP Business Data Warehouse Appliance」を発表した。HP Vertica Analytics Systemは同日から、HP Business Data Warehouse Applianceは14日から販売を開始する。

 HP Vertica Analytics Systemは、3月に買収した米Verticaのビジネス分析技術を採用したハイエンドモデル。カラム志向のデータベースマネジメントシステムや超並列処理(MPP)アーキテクチャ、データ圧縮を特徴としており、リアルタイムでの大容量データの分析に強みがある。

 ハードウェアにはHP BladeSystem c700やHP StorageWorks Modular Disk System 600などを採用。製品ラインアップはクオーターラック(データ分析量が10テラバイト)、ハーフラック(同20テラバイト)、フルラック(同50テラバイト)の3モデル。本体価格はクオーターラックの場合で、1億1606万4900円となる。

HP Vertica Analytics Systemのラインアップ

 製品企画部の寺崎孝氏によれば、某ヘルスケア企業の2年分の顧客データの分析におけるパフォーマンス検証では、従来のRDBMSは37分6秒かかったが、Verticaでは2.78秒で完了したという。「ソフトウェアベースの分析技術と標準的なハードウェア構成ながらパフォーマンスが高い。ハードウェアベースの分析技術を採用している他社製品に比べて、コスト対性能に優れる」と語っている。

 HP Business Data Warehouse Applianceは、5テラバイトまでのデータ分析を焦点にしており、HPの代表的なハードウェア機器とMicrosoftのOSおよびアプリケーションという構成。価格は665万7000円。これに分析・意思決定支援ツール「HP Business Decision Appliance」(415万8000円)と組み合わせることで、1000万円台でビジネス分析システムを構築できるという。

HP Business Data Warehouse Applianceのコンセプトは「手の届くBI(ビジネス分析)」

 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏は、「例えば東日本大震災では多くの企業や組織の事業環境の変化に直面し、迅速な対応を迫られた。今回の製品を通じて当社が支援できるのが、“アジリティ(俊敏性)”の提供だ」と述べた。

 また、サーバーマーケティング統括本部長の上原宏氏が、アプライアンス製品戦略を紹介した。同社ではインフラの基幹製品として2009年から「HP BladeSystem Matrix」を提供しているが、この名称を同日から「HP CloudSystem Matrix」に変更。これに仮想化環境向けの「HP VirtualSystem」、アプリケーション向けの「HP AppSystem」を加えた3本柱を展開していく。

アプライアンス戦略の柱となる製品群

 今回発表のDWHアプライアンスはHP AppSystemの第一弾製品であり、近日中にHP VirtualSystemの新製品もリリースするという。

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