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» 2011年08月22日 10時00分 公開

ワンストップでサービスを提供:3M戦略を推進、KDDIの新クラウドが実現する“シームレスな”世界とは?

KDDIの田中社長が、事業の軸として一貫したメッセージを打ち出しているのが「3M戦略」(マルチデバイス、マルチユース、マルチネットワーク)である。この基本戦略に基づく法人向けの具体的な施策が、新しいクラウドブランドである「KDDI MULTI CLOUD」だ。ここには通信会社ならではの強みが存分に織り込まれている。

[ITmedia]
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 計画停電に伴う企業システムの停止や自宅待機など、東日本大震災の経験から、多くの企業においてBCP(事業継続計画)に対する機運が高まっている。BCPといってもさまざまな切り口があるが、中でも注目を集めるキーワードが「クラウドコンピューティング」と「在宅勤務」だ。

 この双方に通ずるソリューションとしてKDDIが6月に発表したのが「KDDI MULTI CLOUD」である。KDDI サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長の山田靖久氏に、「KDDI MULTI CLOUD」が実現する“シームレスな”世界についてアイティメディア エグゼクティブ プロデューサーの浅井英二が聞いた。


さまざまなツールを組み合わせて在宅勤務を実践

浅井 3月に発生した大震災などの影響で、企業を取り巻くビジネス環境は大きく変化しています。企業の経営課題に関して、現在、KDDIにはどのような問い合わせが寄せられているのでしょうか。

KDDI サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長の山田靖久氏 KDDI サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長の山田靖久氏

山田氏 震災の影響もあり、BCP(事業継続計画)の観点からワークスタイルを変えていかなければと考えているお客さまがここ2〜3カ月で増えてきています。具体的には、在宅勤務制度の導入や、(自社の拠点や取引先など)海外と迅速にコラボレーションできる仕組み作りに向けて、いつでもどこでも企業システムにアクセスできるような基盤整備への要望が高まっています。

 在宅勤務については、今夏の電力不足に向けた節電対応の一環としてKDDIも実施を始めており、会社全体あるいは部門単位でさまざまな取り組みを行っています。私の部署でも7月から週1〜2日は在宅勤務を実施していますし、サマータイム制度を積極的に導入している部門もあります。

浅井 在宅勤務をスムーズに実施する上で、KDDIではどのようなシステム環境を整備しているのでしょうか。

山田氏 オフィスに設置しているPCにリモートアクセスできるツールや、DaaS(Desktop as a Service:端末のデスクトップ環境をネットワーク越しに提供するサービス)を活用して外部から社内システムにアクセスする仕組みを用意しています。また、IT部門が準備したチャットやプレゼンス機能などのコミュニケーションツール、TV会議システムなども利用しています。

浅井 非常に多くのツールを用意して、うまく組み合わせているといった印象を持ちます。ただ、一般の企業がこうしたシステムを効率よくスピーディーに導入するのは難しいのではないかと思います。その点について、どのあたりが課題になるとお考えでしょうか。

山田氏 基本的に企業はネットワークであったり、デバイスであったりと、ベンダからパーツごとに調達し、それらを組み合わせてシステムを構築しますが、これはIT部門やエンドユーザーにとって大きな手間となります。また、パーツごとの購入となると、個々のセキュリティに課題を感じる企業が多いのも事実です。その結果、がちがちに運用をしようとするあまり、柔軟性に欠けたシステムが出来上がってしまいます。

 これはクラウドコンピューティングに対する企業の悩みにも共通します。ひとえにクラウドといっても、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、あるいは、パブリッククラウドやプライベートクラウドなど、さまざまな定義、タイプがあり、サービスが多様化しています。ユーザーにとってはどのサービスを使えばいいか分かりません。また、デバイスについても、スマートフォンやタブレット端末などが登場し、ネットワークも進化しています。それぞれのパーツが複雑になってしまっているのが現状です。しかし、あくまでICTをシンプルに使いたいというのがユーザーのニーズであり、そこにギャップが生まれています。

法人向けクラウド事業を集約

アイティメディア エグゼクティブ プロデューサーの浅井英二 アイティメディア エグゼクティブ プロデューサーの浅井英二

浅井 本来であれば、ベンダのいろいろな技術を組み合わせてシステムを構築するのはとても難しいことなのですが、そうせざるを得ないユーザーも多いわけです。こうした状況に対して、KDDIはどのように顧客の課題を解決していくのでしょうか。

山田氏 KDDIもこれまではお客さまに対し、アプリケーションやデータセンター、ネットワーク、デバイスなどのレイヤーごとに製品やサービスを用意していました。例えば、法人向けのネットワークサービスに関して、インターネットとVPN(Virtual Private Network:仮想閉域網)に分類し、前者は仮想環境を実装したサーバを貸し出すクラウド「KDDIクラウドサーバサービス」を、後者では企業向け広域データネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch(KDDI WVS)」のサービス上で展開する閉域型クラウドサービス「Virtual データセンター」を提供していました。

 それらとは別に、携帯電話、固定通信回線、インターネットといった通信環境とアプリケーションをワンストップで提供するSaaS型ソリューション「Business Port」も提供していたため、お客さまから見てクラウドサービスが複雑化している状況でした。もちろん、営業やSEといったお客さまの接点となる担当者がそれぞれのパーツを組み合わせて、トータルパッケージとして提案していましたが、今までのサービス内容は大きく変えずに、お客さまへのアプローチを統合し、利便性を向上していこうという動きになりました。

 そこで、2011年4月に立ち上げたのが、クラウドサービス企画開発部です。社内に分散していたクラウド関連部門をここに集約し、お客さまに対してクラウドサービスを分かりやすく伝え、効果的に提供していくことを目指しております。

 その具体的なソリューションとして6月に発表したのが、アプリケーションからデータセンター、ネットワーク、デバイスまでをシームレスに統合する新しいクラウドブランド「KDDI MULTI CLOUD」です。

 利用イメージとしては、お客さまがスマートフォンやタブレット端末などのデバイスを購入すると、そこには既にアプリケーションがインストールされていて、デバイスからあらゆる業務を遂行したり、お客さまのデータセンターに接続できたりする環境などを提供していく予定です。

 この「KDDI MULTI CLOUD」の土台となるのが、今年度よりKDDIが提唱している「3M戦略」です。これは、「さまざまなアプリケーションやサービス(マルチユース)」を「いつでもどこでも最適なネットワーク(マルチネットワーク)」で「好きなデバイスで利用できる(マルチデバイス)」から成り、これによってシームレスな世界を作り上げることを目指しています。この3M戦略を法人さま向けに具現化したものが、「KDDI MULTI CLOUD」なのです。

シームレスにネットワークを切り替える

浅井 マルチネットワークに関して、現在、企業内には実にさまざまなネットワークが入り組んでいます。ユーザーはどのようにネットワークを使い分ければいいのでしょうか。

山田氏 エンドユーザーに意識させず、その時々に応じて最適なネットワークをシームレスに提供するのがKDDIのミッションです。KDDIは、前述の企業向けイントラネット(KDDI WVS)といった有線ネットワークに加え、3G、WiMAX、LTE(Long Term Evolution、2012年度に提供予定)、Wi-Fiなどのモバイルネットワークサービスを提供します。今後、スマートフォンやタブレット端末などが普及するにつれ、これまでオフィスで有線ネットワークだけ使っていた企業においてもWi-Fiに対するニーズが高まっていくでしょう。より多くの企業にKDDIのサービスが必要になると考えています。

「KDDI MULTI CLOUD」で実現する「シームレス」な世界とは 「KDDI MULTI CLOUD」で実現する「シームレス」な世界とは

浅井 KDDIが掲げる「新しいクラウド」においては、ラストワンマイルからすべてをシームレスにつながなければならないわけですね。特に注力する部分はありますか。

山田氏 接続されているネットワークのタイプに応じてセキュリティのレベルを検討しなければなりません。KDDIでは、公衆網のWi-Fiや3GからVPN経由でイントラに接続するリモートアクセスサービスなどを用意していますが、ユーザーの操作性は簡素化する一方で、セキュリティレベルは下げずに一定の強度を保つような仕組みを導入する予定です。

 セキュリティに関していえば、デバイスへの対応も重要です。多くの企業では、タブレット端末やスマートフォンのビジネス利用においてセキュリティ対策が大前提になります。KDDIでは米Three Laws of Mobilityが開発したセキュアプラットフォームを採用し、2011年11月よりauのAndroid™搭載デバイスを利用する法人のお客さまを対象に、セキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」を提供していきます。

 同サービスは、従来のアプリケーションレベルでは実現できなかったメモリの暗号化、デバイス管理、アプリケーションの配信管理など、強固なセキュリティ機能をOSレベルで実現するもので、アプリケーションのインストール制限をはじめ、端末のロック、カメラなど各種機能の利用許可を企業の情報システム担当者に委譲させることで、法人のお客さまごとの企業セキュリティ基準に沿ったシステム構築が可能となります。

浅井 そのほかに、「KDDI MULTI CLOUD」の推進に向けてKDDIが取り組んでいることはありますか。

山田氏 データセンターの構築はもちろんのこと、パートナーとの連携も強化しています。お客さまが利用するアプリのすべてを当社が提供できるわけではないので、ISV(Independent Software Vendor)と協力し、オープンな技術を用いて開発を行っていきます。ISVごとのライセンス契約なども当社に集約するなど、お客さまにとって最適なクラウド環境を提供するつもりです。

 具体例の1つとして、ブランドダイアログ社のグループウェア/SFA(営業支援システム)である「Knowledge Suite」をKDDIブランドとして提供します。この「KDDI Knowledge Suite」は、グループウェア、営業支援、顧客管理といった機能を1つのサービスで実現したオールインワンクラウドサービスです。auのAndroid™搭載デバイスに対応し、いつでもどこでもシステムの利用が可能です。

 このように、1社単独でアプリケーションからデータセンター、ネットワーク、デバイスまでをワンストップでお客さまにお届けできることが、私たちKDDIが提唱する新たなクラウドの最大の強みといえるでしょう。

※AndroidはGoogle Inc. の商標または登録商標です。
※Wi-FiはWi-Fi Alliance の登録商標です。
※WiMAXはWiMAX Forum の商標または登録商標です。

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提供:KDDI株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年9月21日

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