NTT Com、UCのクラウドサービスを提供へ 企業の海外進出を支援

ユニファイドコミュニケーション(UC)の機能を国内外でほぼ同一に利用できる「UCaaS」サービスを開始する。プラットフォームにはシスコのソリューションを採用した。

» 2011年08月30日 16時24分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NTTコミュニケーションズは8月30日、ユニファイドコミュニケーション(UC)のクラウドサービス「UCaaSプラン」を31日から提供すると発表した。併せて、海外などからの外線発着信が安価になる「SIP Trunkingプラン」の提供エリアを15カ国に拡大する。

 UCaaSプランは、企業向けコミュニケーションサービス「Arcstarユニファイド・コミュニケーション・サービス」の新メニューとして提供するもので、カンファレンス機能とIP電話機能を国内および海外158カ国で利用できる。サービスの提供基盤には米Cisco Systemsの「Cisco Hosted Collaboration Solution」を採用した。

UCaaSプランの概要

 カンファレンス機能では、連絡相手の在席状況を確認するプレゼンスやインスタントメッセージング、資料共有が可能なWeb会議、ビデオ会議を利用できる。IP電話機能では、同一の番号で卓上電話や携帯電話に着信させるシングルナンバーリーチや、自席以外の場所の電話機にログインすることでユーザー専用端末のように利用するエクステンションモビリティ、出張先から自社の電話サービス経由で発信するモバイルボイスアクセス、ソフトフォンなどを利用できる。

 月額利用料は、基本料金(1社当たり3万6000円から)とゲートウェイ料金(1拠点当たり1万800円から)、定型メニュー料金(機能に応じて1ID当たり900〜2700円)の合算となる。別途、同社VPNサービスの料金も必要。

 SIP Trunkingプランは、5月31日からシンガポールで提供しており、8月中に英国やオーストラリアなど15カ国に拡大する。2012年3月末までには30カ国程度に広げる予定。UCaaSプランでも今後、スマートフォン対応の強化や業務アプリケーション連携などを図るという。また年内に国内外にあるコンタクトセンターを連携させるクラウドサービスも開始する計画である。

Web会議のデモンストレーション。WebExがベースとなっている

 NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長の若井昌宏氏は、「ユーザーは国内外の拠点同士でコミュニケーションを促進させることができる。専用設備を持つ必要がないので、運用コストを約2割、海外からの通信費を約5割それぞれ削減できるだろう」と説明した。Ciscoの採用理由は、「開発力でのあるグローバルベンダーであり、海外での採用実績も豊富なため」という。

 シスコシステムズでサービスプロバイダー向け事業を担当する副社長の堤浩幸氏は、UCの導入によって「財務体質の改善、グローバル化、ビジネスの迅速化、戦略的優位性の確保というメリットを得られる」と語った。

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