CAがARCserveシリーズの最新版を発売、クラウド連携が可能に

CAはバックアップ製品の最新版となる「CA ARCserve r16」シリーズをリリースした。

» 2011年09月08日 15時34分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 CA Technologiesは9月8日、バックアップ/リカバリソフトの最新版「CA ARCserve r16」シリーズ4製品を発売した。初のクラウド連携や仮想化対応の強化、使い勝手の向上が特徴という。

 今回発売したのは、イメージバックアップの「CA ARCserve D2D r16」、ファイルバックアップの「CA ARCserve Backup r16」、レプリケーション(複製)の「CA ARCserve Replication r16」および「CA ARCserve High Availability r16」。従来のライセンス販売に加え、今回からはマネージドサービスプロバイダー(MSP)向けに提供。MSPからは月額課金などの形態でサービスが提供される。

 各製品の新機能は、D2D r16ではパブリックやプライベートのクラウド環境にデータをバックアップしたり、クラウド環境からオンプレミス環境にリストアしたりできるようになった。

 利用頻度などの条件を事前に設定しておくと、オンプレミス環境でバックアップしたデータのうち、対象のデータを自動的に抽出してクラウド環境にデータをコピーする。業界規制などから長期間の保存が必要とされ、利用頻度の低いデータをクラウド環境にバックアップすることで、オンプレミス環境のサーバやストレージのデータ格納領域を節約できるようになる。

 また仮想化環境で利用する際に、従来のMicrosoft Hyper-Vに加えて、VMware vSphere上にある仮想マシンでもエージェントレスでバックアップできるようになった。仮想マシンをバックアップする際にその仮想マシンと同様の「スタンバイマシン」を作成しておき、障害時にスタンバイマシンを使用して短時間でリカバリできる機能も搭載する。

 このほか、WindowsエクスプローラやExchangeの画面上から対象データをドラッグ&ドロップ操作をするだけでリストアを行える機能もある。Windows XP/Vista/7マシンのバックアップも可能になった。

 Backup r16もクラウド連携が可能。新たに搭載したアーカイブ機能ではクラウド上のストレージやオンプレミス上のテープ、ディクスなどにデータを保存できるようになった。Windows Preinstallation Environment機能を利用してインストールメディアだけで復旧ができるほか、D2D r16との連携で、バックアップしたイメージデータの中から必要なファイルだけを直接リストアできるようにもなっている。

 Replication r16およびHigh Availability r16もクラウド環境と連携でき、クラウド環境にデータを複製したり、クラウド環境からリカバリさせたりできる。複製/リカバリの際にVPN経由での通信に加えてSSL通信にも対応したほか、カスタムアプリケーションのデータもリカバリできるようにした。

クラウド連携のイメージ(左からD2D、Backup、Replication)。Amazon EC2などパブリックサービスの事業者との協業も進めるという

 製品価格(税別)は、D2D r16が8万円から、Backup r16が15万円から、Replication r16が19万8000円(ファイルサーバ専用版は9万8000円から)、High Availability r16が39万8000円(同22万8000円から)となる。

 また、大塚商会がD2D r16とタンベルグデータのRDX、設定サービスなどを組み合わせたバックアップサービス「サーバ丸ごとバックアップ 500GB/250GB パック」を、9月中旬から開始すると発表している。

変更履歴……初出時に「MSPによるサービスとしては、」とありましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。

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