シトリックス、デスクトップ仮想化製品の新バージョンを発表

シトリックスは、デスクトップ仮想化製品の最新版「Citrix XenDesktop 5.5」を発表。仮想デスクトップ画面の配信速度を3倍に高速化し、対応クライアントの種類も増やした。

» 2011年09月08日 18時46分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo シトリックス・システムズ・ジャパンの竹内裕治 マーケティング本部プロダクトマーケティング シニアマネージャー

 シトリックス・システムズ・ジャパン(以下、シトリックス)は9月8日、デスクトップ仮想化製品の新バージョン「Citrix XenDesktop 5.5」および「Citrix XenClient 2」などを発表した。

 XenDesktop 5.5では、圧縮ストリーミング技術「Citrix HDX」を改良し、仮想デスクトップ画面の配信を従来に比べて最大3倍に高速化した。音声や動画の品質も向上させたという。業務用/個人用を問わずさまざまなアプリケーションをシングルサインオンで利用できる機能「Citrix Cloud Gateway」も搭載した。

 シトリックスの竹内裕治氏は、「業務用アプリケーションは個人用に比べて進化が遅れており、ビジネスマンは普段の生活で使うアプリと仕事で使うアプリとの間にギャップを感じていた」と話す。Cloud Gatewayによって、EvernoteやDropboxといった個人用のアプリケーションも、仮想デスクトップ上で安全に利用できるようにしたという。

photo 仮想デスクトップ上でのCitrix Cloud Gateway活用イメージ

 また、米Citrix Systemsが8月に買収した米RingCubeから取得したディスク仮想化技術「Personal vDiSK」の提供も始める。仮想デスクトップ環境を構築する際、1つのOSイメージを複数のユーザーで共用しつつ、個々のユーザー環境の管理にはPersonal vDiskを利用する。ストレージを節約しつつ、ユーザーごとに仮想デスクトップの管理ができるようになるという。

photo Personal vDiSK利用イメージ

 仮想デスクトップを利用するデバイスやOSの種類も増やした。これらのデバイスでは「Citrix Receiver」を組み合わせることで、iOS、Android、Chrome OSなど多様なOSを搭載したデバイスで仮想デスクトップを利用できる。

photo 複数の仮想デスクトップの選択画面

 XenClient 2は、XenDesktop上で動作する仮想化クライアントハイパーバイザーの最新版。ユーザーはXenClientを利用することで、オフライン環境で同時に複数のOSイメージを起動でき、システムごとや用途ごとに仮想デスクトップを使い分けられる。

 新バージョンではハードウェアの互換性を強化した。従来版で対応していたIntel Core vProプロセッサ搭載機に加え、Xenclient 2では第2世代Intel Core vProプロセッサ搭載機もサポート。対応するデバイス数は従来の3倍以上に増えた。

photo Citrix XenClient 2の概要

 ネットワーク関連では、PCとデータセンター間でやり取りされるXenDesktop/XenApp環境などを検出し、自動で優先順位を付けてトラフィックを管理する「Branch Repeater 6」を発表した。仮想アプリケーション、音声、ビデオ、Microsoft Officeなど、さまざまなアプリケーションを識別して制御することで、「遠隔地のユーザーにも高品質な仮想デスクトップ環境を提供できる」(竹内氏)という。

 同社は、デスクトップ仮想化の導入を支援するコンサルティングサービス「デスクトップ トランスフォーメーション アセスメント サービス」も開始した。

 これまで同社では、顧客企業から仮想デスクトップ環境の構築に関する問い合わせを受けることが多かったという。このサービスでは顧客企業の現在のIT環境を把握・分析し、最適なソリューションを提案。それに適したインフラ環境の構築を支援することで、「(管理が煩雑な)デバイス中心の呪縛からユーザーを解き放つ」(藤野智宏氏)という。

 これらの新製品は、シトリックスが10月4日に開催する「Citrix iForum 2011 Japan」で紹介されるという。

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