いい国って、どんな国?オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年09月17日 12時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

仕事について考える


 オルタナブロガーの多くはビジネスマンであるため、「仕事」について考察するエントリーが書かれる頻度が高い。今回も気になるエントリーがあったので、紹介しよう。

 永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」の「これといった好きな仕事が見つからない?」→それは当たり前では、藤巻幸夫氏の記事を受けて、「『やりたい仕事なんてそんな簡単に見つかるもんじゃない』というのは、同感」と書いている。

 「傍目には、今の私は好きな仕事を好きなように楽しくやっているように見えるかもしれない」が、「20代・30代の時に『不条理』や『矛盾』と向き合った経験をしていなかったり、あるいはそのような状況に『意欲が湧かない』といって手を抜いていたら、多分、今のような形で仕事は出来ていない」と振り返る。「そもそも仕事というのは『不条理』と『矛盾』の繰り返しで(中略)、そんな状況で頑張った時にご褒美として、仕事でいい出会いや喜びにめぐり合うことがたまにある、ということ」だという。

 好きな仕事がない、やりたい仕事がない――このような悩みはそもそもが逆なのだ、というのが、実体験から来る永井氏の意見だ。

 しかし別のオルタナブロガーからは、まったく異なる意見が出ている。「シリコンバレーへの一週間の突発一人旅」を経験した金城辰一郎氏「CONNECT&CHANGE」が紹介した、シリコンバレーで活躍する3人の日本人に気付かされた気付きだ。

 気付きの1つ目は、「好きなこと、出来ること、儲かること/それがやるべき仕事だ」、2つ目が「権限と責任の一致」、3つ目が「遅すぎることはない」ということだ。1つ目の気付きは永井氏とは真逆だが、これもまた実体験に基づいた考え方に相違ない。これらの気付きを得た金城氏は、「やるかやらないかだけですね」と決意を新たにしている。

 竹内義晴氏「竹内義晴の、しごとのみらい」は嘘をつくのはもうやめよう!子供に教えたくない「仕事の常識」で、「『つらいことを我慢しないと食べていけない』とか、うそばっかり子供に教えるのはもうやめよう!」というツイートを紹介した。竹内氏は子どもたちに「楽な仕事はないけれど、楽しい仕事ならたくさんあるよ」と伝えたいそうだ。

値引きサービスの落とし穴

 人によって払う金額に差があるのは、割引を受けられない人にモヤモヤした残念感が生じるだけでなく、自分たちだけ割引を受ける方もなんとも居心地が悪い。

 【顧客サービスの設計を考える】食べ物の恨みは恐いよ:てくてくテクネコ


 クーポンなどの値引きサービスが花盛りである。目を引くし、簡単だからかもしれない。しかし、やり方を1つ間違えるとどうなるかということを考えさせてくれたのが、加藤和幸氏「てくてくテクネコ」の【顧客サービスの設計を考える】食べ物の恨みは恐いよだ。

 昼食を食べに出かけた加藤氏。途中で見かけたレストランは「ブッフェスタイルのランチが2000円。このビルに勤めている関係者は、500円引きの1500円」だった。同行5人のうちビルに勤めているのは2人、あとの3人はどうなるか尋ねたところ、ビル勤務者以外は割引適用外と言われたという。

 結局、加藤氏らはこの店に入らなかった。不公平はお互いに嫌だと思ったからだ。レストランは「グループ客を取り込み損なって7500円(経費込みの売上)の売上を機会損失した」のでは、というのが加藤氏の考えだ。「値引きやその他のサービスの、本来の目的は何なのかを見失うと逆効果になりかねない」ことを、思い起こさせてくれた話だ。

電子書籍普及のフックは?

 電子書籍が本当の意味で一般浸透するには、専用端末購入の購入金額「5000円以下」という正直な数字は頭に置いておいた方が良いと思います。

 電子書籍専用端末は「5000円以下」なら買って良い考える人45%:平凡でもフルーツでもなく、、、


 普及が進んでいるのかいないのか、いまいちハッキリしない電子書籍。スマートフォンやタブレットとともに登場している専用端末について、興味深い調査結果が紹介された。自らも電子書籍ビジネスに携わる佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の電子書籍専用端末は「5000円以下」なら買って良い考える人45%だ。

 確かにそうかもしれない。数万円の端末と5000円以下の端末が並んで売られていれば、いかに高価な端末が高機能であっても、安価な端末に人は流れるだろうし、そこから普及が加速していくだろう。

 「電子書籍に欲しい機能として『文字の拡大・縮小ができる機能』(57.9%)」というも見逃せない。近年、文庫本のフォントサイズが拡大されているのにお気付きだろうか。「紙が読みやすいというか扱いやすいし便利な事は分かっているけど、やっぱり文字が小さくて見えないものは見えない」というニーズに沿ったものだろう。また、大活字本なども刊行されている。しかし電子書籍ならば、文字サイズを自分で自由に拡大縮小できる。

 「(紙の書籍なら)文字サイズを大きくすれば、情報量が減ったり、紙面数が増えて印刷コストや輸送費用に跳ね返る。やっぱり電子の良さは使えるところで活用すべきだ」という佐々木氏の意見に、筆者も同感である。

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