Amazonが11月15日に199ドルで販売する予定の「Kindle Fire」の製造原価は販売価格を上回り、デジタルコンテンツの売り上げを合わせても利ざやはほとんどないとiSuppliは分析する。
米Amazon.comの「Kindle Fire」の製造原価は209.63ドル――。米調査会社のiSuppliは9月30日(現地時間)、11月15日に199ドルで発売予定のAndroidタブレットの“仮想分解”による推定原価を発表した。部品原価は191.65ドルとみている。
この推定原価ではAmazonはKindle Fireを1台売るごとに約10ドルを失うことになるが、デジタルコンテンツの販売により、Amazonは1台当たり10ドルの収益を上げるとiSuppliはみている。
iSuppliはこの推定結果から、ハードウェアとデジタルコンテンツの利ざやを薄く設定することでAmazon.comのオンラインストアにユーザーを誘導し、結果的にオンラインストアの商品売り上げ全体の促進を目指す同社のビジネスモデルが明らかになったとしている。
コンポーネント | 推定価格(ドル) |
---|---|
タッチスクリーンディスプレイ | 87.00 |
メモリ | 25.00 |
アプリケーションプロセッサ | 15.00 |
無線LAN | 6.00 |
その他のPCB部品 | 24.40 |
バッテリー | 18.25 |
筐体 | 11.00 |
付属品 | 5.00 |
部品原価合計 | 191.65 |
製造コスト | 8.40 |
EMSのマージン | 9.58 |
原価総計 | 209.63 |
(資料:iSuppli) |
iSuppliは、Kindle Fire発売後、実際に同端末を分解した原価分析をあらためて発表するとしている。
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