ソーシャルメディア活用の未来とその可能性ソーシャルマーケティング新時代(2/4 ページ)

» 2011年10月04日 08時00分 公開
[岩渕匡敦, 辻佳子,デロイト トーマツ コンサルティング]

成熟度モデルにおけるレベル定義の考え方

 まず、成熟度モデルそのものの紹介に入る前に、ソーシャルメディアやソーシャルマーケティングにおける、これまでの発展経緯をみてみたい。そこには、大きく3つのステップが存在するとわれわれは考えている。

 第一のステップはコミュニケーションである。ソーシャルメディアを通じて、一般消費者や関係者とのコミュニケーションを実現する。次のステップはマーケティングである。ソーシャルメディアを使って、自社の企業活動PRをはじめ、より収益につながるようなプロモーションを行っていく。第三のステップはコラボレーションである。これは、ソーシャルメディアを通じて、参加者を募り、協力し合いながら、新たな価値を創出しようとするものであり、既に先進的な企業では活用されている。

 これらの3つのステップは、ある地域や社会における、企業のソーシャルメディア活用の発展過程としても同様にとらえることができると考える。しかしながら、具体的な取り組みは、ビジネス形態や産業によって異なる。特に、コミュニケーション範囲が企業−消費者間であるBtoCビジネスと、コミュニケーション範囲が企業間であるBtoBビジネスとでは、大きく様相が異なるため、この2つについて分けて整理すると、図1のようになる。

図1:BtoCビジネス、BtoBビジネスのソーシャルメディア活用過程

 図2にある通り、BtoCビジネスにおけるマーケティングでは、さらに2段階に分けることができるとわれわれは考えている。すなわち、消費者の発信内容を受けて止めてマーケティングに生かす受動的な段階と、消費者の発信力を積極的にマーケティングに生かす能動的な段階である。このような点も踏まえ、われわれの成熟度モデルは、図2のようなレベル定義となっている。

図2:BtoC、BtoBのレベル定義

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