2800万行を45分で解析──コベリティ、ソフトウェアテストツール「Coverity 5.5」発売

Coverity 5.5はマルチコアCPUの採用などを通じて解析速度を大幅に向上させたほか、JenkinsやFindBugsといった他ツールとの統合・連携も可能にした。

» 2011年10月04日 19時20分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 安竹氏

 コベリティは10月4日、ソフトウェア静的解析/ソースコード解析ツール「Coverity 5.5」を発表した。解析速度を従来比「最大10倍」まで向上させたほか、新たに搭載/機能強化した20種以上のチェッカーで、より精度の高いテストを実施できるようにしたという。10月19日に出荷を開始する。

 新製品では中核技術である「Coverity Static Analysis」(CSA)へのマルチコアCPUの採用などを通じ、解析速度を「平均5〜6倍、最大で10倍」(同社の安竹由起夫氏)まで向上させた。従来なら5時間かかっていたネットワーク機器関連の2800万行のソースコード解析なら45分で済み、3.5時間かかっていたストレージ関連の150万行のソースコード解析時間を12分まで短縮するという。

 また、新たにCI(継続的インテグレーション)ツールJenkins向けのプラグインを用意した。ユーザーは同プラグインの利用で、静的解析による不具合箇所の抽出/不具合箇所へのパスの抽出と、開発者への通知、開発者によるコード構成管理――といった一連のコードチェックサイクルを容易に構築できるという。

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 さらに、Java解析を強化するため、オープンソースの静的解析ツールFindBugsを統合した。追加のインストールや構成をすることなくCoverity 5.5と共通のワークフローで不具合を管理できるようになっており、「CoverityユーザーがシームレスにFindbugsを利用できるようにした」(安竹氏)という。

 「CSAは実行レベルでテストするツールであるのに対し、FindBugsはコードを組みながらテストするようなタイプのツール」と安竹氏。ハイスピードなエンジンを持つCSAとは異なる静的解析技術を用いたFindBugsを統合することで、製品のカバレッジを拡大する考えだ。

 併せて、Coverity 5.5を米HPのアプリケーションライフサイクル管理製品(ALM)と連携させる「Coverity Connector for HP ALM」も発表した。これにより、CSAおよびFindBugsが検出したソースコード品質の不具合を、既存のALMワークフロー上で確認できるようにした。

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