国内ITサービス市場、3年連続のマイナス成長の見込み

IDC Japanによれば、2011年の国内ITサービス市場規模は、震災や円高の影響で前年より2.1%の減少が見込まれる。

» 2011年10月11日 12時56分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のIDC Japanは10月11日、2015年までの国内ITサービス市場予測を発表した。2011年の市場規模は、東日本大震災や円高の影響から前年比2.1%減の4兆8368億円となる見込みで、回復は2012年以降と予測する。

 2011年については、2008年の金融危機の影響を受けた2009年から3年連続でマイナス成長になるという。ITアウトソーシングの成長力が低下傾向にあるほか、円高に伴う国内企業の海外進出から中長期的にITサービス支出の海外シフトが起きる可能性もあるとしている。

 足元では製造業向けの売上や受注が回復しているベンダーもみられ、2011年後半から徐々に好転していくことが見込まれる。これまで凍結されていた新規開発案件の再開や、既存システムの再構築/クラウド化、事業継続/災害対策といった投資がけん引役となり、それに伴ってITアウトソーシング市場も上向くと分析する。

 同社のITサービス/コミュニケーションズ グループディレクターの寄藤幸治氏は、「ベンダー各社は、営業活動、契約、付加価値の所在など、サービスそのものだけでなく、サービス提供を取り巻くあらゆるものを差別化の要素と考え、競合と戦っていく必要がある」と述べている。

国内ITサービス市場 支出額予測:2009年〜2015年(出典:IDC Japan)

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