富士通、「スーパーカミオカンデ」の実験解析システムを受注

2012年3月に稼働予定のPCクラスタシステムを東京大学宇宙線研究所に提供する。

» 2011年10月25日 13時03分 公開
[ITmedia]

 富士通は10月25日、東京大学宇宙線研究所からPCクラスタシステムを受注したことを発表した。神岡宇宙素粒子研究施設「スーパーカミオカンデ」の実験解析システムとして2012年3月に稼働を開始する予定という。

 新システムは、142台のPRIMERGY BX922 S2を用いたPCクラスタシステムと、ETERNUS DX80 S2によるストレージシステム、ファイルシステムソフトのFEFSを用いた高速分散ファイルシステム、HPC用ミドルウェアのParallelnaviなどで構成される。

 システム全体の演算性能は、CPUの性能を表す指標の1つである「SPECint_rate2006」で3万3000という結果で、従来システムに比べ約2倍に向上したという。ディスク容量は従来の約4.4倍になる3.1テラバイトで、データ転送速度は約7倍に向上。消費電力は約22%削減できるとしている。

 また、飛騨市神岡鉱山内に40台のPRIMERGYとETERNUS DX80 S2で構成される「坑内実験サイトデータ処理システム」も提供される。「スーパーカミオカンデ」の検出器にある光電子増倍管が捕らえた観測データが同システムに送られるという。

 「スーパーカミオカンデ」では宇宙の誕生などの解明を目的に、素粒子ニュートリノの観測が24時間体制で行われている。観測や解析などで1日当たり約500Gバイトのデータが処理され、過去数年分の蓄積データも頻繁に利用されることから、今回のシステムには高度な安定性やデータの処理能力が求められると富士通ではコメントしている。

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