日常業務の改善につなげる「ライフログ」ツールの使い方企業流モバイル「ログ」活用術(3/3 ページ)

» 2011年10月27日 08時00分 公開
[佐々木隆仁,AOSテクノロジーズ]
前のページへ 1|2|3       

行動の改善につなげる

 次に、一日の業務をどう改善していけばよいかを考えてみます。

営業 小林敬子(仮名)の一日

10時 ○○商会:上司からのアドバイス。検索するのは会社の場所だけではなく、会社の規模、従業員数、資本金、業務内容、売上、利益などの情報を事前に確認してから訪問する

12時 ××食堂:取引先と一緒に食事。行ったお店が、あまり、おいしくなかったので、次回はこのお店を外して、別のお店に行くようにする

14時 △△商事:商談途中で退席してしまったので、後からフォローをしっかりと行い、商談を継続する

15時 ○○電気:トラブル対策が上がってきたら、忘れずに対応する

16時 ××ショップ:次回は同じものを買わないで、別のお土産を買ってバリエーションを広げる

17時 顧問:継続的に顧客を紹介してもらう

19時 接待 ○○クラブ:このお店が良かったので、次回は別の取引先の接待で活用する


 一日の記録を毎日きちんと手動で残すとなると、大変な手間がかかってしまいます。しかし自動記録ツールを使えば、自動的に毎日の訪問場所、通話履歴、閲覧したWebサイトなどの記録が蓄積されていくので、後から振り返って次につなげることができます。また、海外旅行に行った場合なども偶然に発見したお店や、もう一度訪ねたい場所などのログも自動的に残されるので、後から生かせる情報として活用できるでしょう。自動記録ツールによるライフログの活用事例にはこのほか、徘徊老人の問題を解決するためのツールとして、家族やヘルパーなどに位置情報を送信するなどの目的でも使われています。

 なお、「カレログ」騒動をきっかけに、行動履歴の取得について、ユーザーの同意を得ることの必要性が改めて強調されています。そもそもログを取得する場合は、情報の取得を相手に事前に告知するのは当然のことです。ログを取得するということは、過去に何が起こったかを記録するだけではなく、事前に告知を行うことで未来に問題が発生することを未然に防ぐこともできます。


 自分がいつ、どこで、何をしていたかを記録することは、仕事の効率を高め、生活の質を改善するために役立てるための基礎データとなります。思い出を残す、後から振り返る――ライフログツールは、忙しい日常の中で過ぎていく時間の記録を負担なく残すことで、さまざまな生活シーンに役立つものとなっています。

筆者プロフィール

早大理工学部卒、1995年に大手IT企業から独立し、AOSテクノロジーズを設立、代表取締役社長に就任。リーガルテクノロジーを中心とした事業を推進。2002年に米国支社を設立。著書に「デジタルデータは消えない」(幻冬舎)などがある。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ