「企業の中でも薄くて高性能のPCを」――インテル、Ultrabookの企業利用を支援

インテルは第6世代の「インテル vPro テクノロジー」におけるセキュリティ性能の強化などを通じ、ビジネス向けにも薄型モバイルノートPC「Ultrabook」の導入を支援する。

» 2011年11月17日 17時03分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo 米Intelのリック・エチャベリア インテル・アーキテクチャー事業本部 副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム本部長

 インテルは11月17日、ビジネス向けクライアント環境の向上に向けた同社の取り組みについて説明した。具体的にはクライアントPC管理技術「インテル vPro テクノロジー」におけるセキュリティ機能の強化などを通じ、ビジネス向けPC環境を底上げしていく方針だ。

 同社は2012年にリリース予定の「第3世代インテルCoreプロセッサー・ファミリー」において、「第6世代のインテル vPro テクノロジー」を導入すると発表した。その一環として、米Intelが今年3月に買収した米McAfeeのセキュリティ管理技術「ePO Deep Command」とのコラボレーションについて説明した。

 第6世代のvProでは、ePO Deep Commandとの組み合わせで、PCの電源がオフの状態でも遠隔地からセキュリティポリシーやウイルス定義ファイルなどを設定、更新できるようにする。これにより、企業はPCの電源状態やOSの稼働状況にかかわらず迅速にサイバー攻撃を防御できるほか、頻繁なデスクサイド・サポートに伴うITコストを削減したり、作業時間を節約したりできるという。

 また、同社が11月15日に資本提携を結んだワンビのデータ遠隔消去技術「トラストデリート」と第6世代vProの連携機能についても説明した。ユーザーはPCを紛失した場合などに、PCの電源がオフの状態でも遠隔からデータを消去できるようになるという。

 ワンビの加藤貴社長によると、2005年に個人情報保護法が施行されて以来、企業においてPCの社外持ち出しを禁止する傾向が強まっているという。「PCはどんどん薄く軽くなり、持ち運びしやすい方向性へと進化しているのに、一方で企業は持ち出しを禁止するという“逆ぶれ”が起きている」と加藤社長は指摘。その上で、今回の連携によって「PCを社外に持ち出した際、万が一の紛失・盗難時にも備えられるようになる」と説明した。

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 米Intelのリック・エチャベリア インテル・アーキテクチャー事業本部 副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム本部長は、一般的にビジネス向けのクライアント環境よりも進んでいると言われるコンシューマー向けPC環境を企業内に導入する「コンシューマライゼーション」に関する、同社の取り組みについても説明した。

 具体的には、vProテクノロジーを搭載した薄型モバイルノートPC「Ultrabook」などのビジネスシーンへの提供を通じ、企業のクライアント環境の向上を支援するという。エチャベリア氏は「vPro搭載Ultrabookによって、薄型・軽量で高性能なPCを業務に使いたいユーザーのニーズを満たすとともに、セキュリティ要件を満たしたい企業のIT部門のニーズにも応えられる」と話している。

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