就業中のSNS利用可否は、人気企業ランキングに影響するか?オルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年12月03日 12時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]

会社でSNSにアクセスできるか?

 ソーシャルメディアの利用を禁止すると学生からの人気企業ランキングが低下しそうだ。

 面接の際に学生から「貴社では会社からSNSにアクセスできますか?」と聞かれる時代に:ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦


 就職活動をする学生が、ソーシャルメディアをツールとして使う時代がやってきた。そして企業もソーシャルメディアを、情報共有やのマーケティングなどさまざまな用途で活用している。だが同時に、ソーシャルメディア経由で機密事項が流出したり、社員の発言内容が元で炎上をしたりなどの事件も散発している。そうなると、社内からソーシャルメディアへアクセスすることを禁止する企業も出てくるだろう。しかしここに、気になるデータがある。

 吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」が面接の際に学生から「貴社では会社からSNSにアクセスできますか?」と聞かれる時代にで紹介した世界14カ国(含む日本)の大学生と20歳代の若手専門職に聞いた「調査結果レポート」によると、「ソーシャルメディアへのアクセスを禁止する企業に対しては、大学生の半数以上(56%)が就職しないか、就職しても職務規程の隙を突く方法を見つける」というのだ。

 さらに「回答者の5人に2人以上(大学生の40%、および若手社会人の45%)が、デバイスの選択、ソーシャルメディアへのアクセス、モビリティにおける自由度は低いが高給の仕事よりも、給与が低くてもそれらの自由度が高い仕事を選ぶと回答」しているという。もちろん、すべての就職希望者ではないにせよ、かなりの数の若者が社内からのソーシャルメディアアクセスを希望しているようだ。

 もっとすごいのは「大学生の約3人に1人(64%)が、就職面接中にソーシャルメディアの使用について質問するつもりだと答えており、全体の4人に1人(24%)が就職時の重要な決定要因だと考えてい」るという結果だろうか。吉川氏が指摘するように、「このところのソーシャルメディアの普及や知名度のアップ、そして数々の事件の発生により、日本企業でも従業員がソーシャルメディアに対する際の姿勢などについて定める『ソーシャルメディアポリシー』の策定に乗り出すことが増えて」おり、「『ソーシャルメディアポリシー』の有無やその内容が、優秀な学生が採用できるかの分かれ目になる可能性がある」という。

 大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」はこれを受けて、面接の際に「貴社では会社からSNSにアクセスできますか?」と聞かれて、面接相手が外国人なら何と説明する?と、さらに難しい問題を提示する。「外国人を採用して、入社後に『なんでネット制限があるのですか?』と聞かれたら、『ダメだからダメなんだ』と通せるものか」ということだ。「ソーシャルメディアポリシー」があれば問題ないが、ソーシャルメディアに対するルール、ポリシーもない会社の場合は、特に難しく「何の説得力もない」のである。

 「ネットユーザーの多くは、ネットから情報を得ている、と言います。さて、この情報って何でしょう? 友達ばかりをフォローしている人がTwitterを見ているのは、情報を得ているのでしょうか? そもそも情報って何でしょう?」―――この大木氏の問いかけも、あらためて考えてみたい事柄だ。

スティーブ・ジョブズをアップデート

 “Steve Jobs has an available update”

 Steve Jobsのupdate:路の上で


 電子書籍の便利な点については、前回取り上げたが、ちょっと別の視点からも紹介したい。

 それは、若杉尚氏「路の上で」のSteve Jobsのupdateで紹介されたことだ。Amazon.comから「"Kindle Title Steve Jobs has an available update"」というタイトルのメールが届いた若杉氏。ジョブズ氏本人ではなく、「彼の伝記のこと」で、「画像とキャプションのレイアウトの問題を修正する」という内容だった。「このような修正ができるのは、まさに電子書籍」と若杉氏は評価している。

 紙の書籍の場合は、誤りがあったら正誤表を配布・封入したり、最悪の場合は回収騒ぎにも発展する。それが電子書籍では、更新して修正できるというのだから素晴らしい。

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