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» 2012年01月05日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:IT分野で仕事をするうえで大切なこと

新年を迎えて最初の本コラムでもあるので、今回はいつもと趣向を変えて、IT分野で仕事をするうえで大切なことについて考えてみたい。

[松岡功,ITmedia]

スクープ記事もあった元日付けの新聞から

 2012年が始まった。今年はいい年であるように願いたい。

 毎年、元日は主要な新聞を買い込んで、1日かけてじっくりと目を通すことにしている。元日付けの新聞は、さまざまな分野における新しい年の動向を探ろうと、各紙ともいつもにも増して紙面作りに力を入れている。

 おしなべて見ると、IT関連のキーワードとしては、やはり最近のトレンドを反映して「スマート」あるいは「ソーシャル」が頭に付いた言葉が目立った。

 スクープ記事もあった。「防衛省が対サイバー兵器」との大見出しで、読売新聞が1面トップをはじめ多くの紙幅を割いて報道していた。

 それによると、防衛省が、サイバー攻撃を受けた際に攻撃経路を逆探知して攻撃元を突き止め、プログラムを無力化するウイルスを開発しているという。事実上のサイバー兵器で、2008年から開発に着手し、現在は性能確認試験の段階としている。

 大きな扱いのニュースになったのは、「サイバー兵器」という過激な言葉にあるようだ。記事によると、サイバー兵器はすでに米国や中国などが実用化しているとされるが、日本では有事法制でサイバー攻撃を想定しておらず、対外的な運用には新たな法解釈が必要になるという。そこで防衛、外務両省はこうした事態を含め、法制面での検討を始めたとしている。

 この記事から読み取れそうなさまざまな思惑は別にして、「サイバー攻撃にどう立ち向かうか」と題した本コラム(2011年10月31日掲載)で、抑止効果が最も現れるであろう攻撃者を特定する技術の確立を訴えた筆者としては、その方向にさらなる進展を期待したい。

 前振りが長くなったが、新年を迎えて最初の本コラムでもあるので、いつもと趣向を変えて、IT分野で仕事をするうえで大切なことについて考えてみたい。

 実は最近、企業向けビジネスを展開するITサービス会社の若手社員たちと、このテーマでディスカッションする機会があった。そこで話した内容を整理して簡略に記しておきたい。これまでの取材活動を通じて筆者が感じたIT分野の仕事への畏敬の念でもある。

ITが社会に及ぼす影響力は金融と同じ

 まず、IT分野の仕事とは何か。直接的な表現だと「コンピュータやネットワークなどの製品・サービスを提供する仕事」となるかもしれない。しかし、実際にIT分野で仕事をする人たちには、ぜひともこう答えてほしい。「ITを使って企業のビジネスや社会インフラを支える仕事」だと。

 個人的な見方ではあるが、筆者は、ITが社会に及ぼす影響力は金融と同じだと考えている。金融が経済社会を支えているように、ITは情報社会を支えている。その金融とITがどんどん融合していることは、もはや説明する必要もないだろう。IT分野の仕事が、これからますます社会全体と深く関わっていくことになるのは疑いの余地がない。

 IT分野で仕事をするにはエンジニアのみならず、ITの知識、およびその知識を応用できる“知恵”が求められる。

 では、その知恵を身につけるためには何が必要なのか。筆者はそれこそ、幅広い見識と業務分析能力だと考える。ITを使って企業のビジネスや社会インフラを支えるためには、ITだけでなく、個々の企業のビジネスや社会インフラの仕組みそのものを知らなければならない。

 そのうえで、ITを使えばどのような効果を上げられるのか。さらには、ITを使ってそうした仕組みそのものを抜本的に改革できないか。ユーザー企業に対してそうした業務改善あるいは業務改革の提案を行い、実現を支援していくのが、IT分野の仕事だと筆者は思っている。

 以上がディスカッションの場で話した要点である。つまりは、若い人たちに「ITを使って企業のビジネスや社会インフラを支える仕事」をしていることをしっかり自覚してほしいというのが、最も訴えたかった点だ。これは経験を積まないとなかなか実感できないことではあるだろうが、とくに若い人たちには常に言い続けておくべきメッセージだと思う。

 もう1つ補足説明しておくと、「ITが社会に及ぼす影響力は金融と同じ」というのは、どちらもすべての分野に“横串”を刺す存在であると考えるからだ。表現を変えれば、ITをフィルターにすればすべての分野を見通すことができる、ともいえる。筆者自身の取材スタンスもそうありたいと肝に銘じている。

 ということで、今年もよろしくおつき合いいただきたい。

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