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» 2012年01月26日 08時00分 UPDATE

松岡功のThink Management:マネジメント信仰の落とし穴 (1/2)

今回は、マネジャーに求められる能力と、その一方でマネジメント信仰がもたらす落とし穴について考えてみたい。

[松岡功,ITmedia]

マネジャーに求められる能力

 昨年来、世間を騒がせてきたオリンパスと大王製紙の事件は、日本の企業統治体制の不備を露呈したもので、とくに海外投資家からすると、日本の企業や社会に対する不信感を募らせる出来事となってしまった。

 オリンパスの場合は、有り余る資金を証券投資に注ぎ込み続けて落とし穴にはまった。大王製紙の場合は、公開企業とは何かを経営者が理解していなかった。この2つの事件は、マネジメントの観点からもさまざまな教訓をもたらすだろう。

 今回はまず、その根本でもあるマネジャーに求められる能力について、これまで取材で得た話を基に考えてみたい。

 マネジャーに求められる能力は、本来のマネジメントのあるべき姿からいうと、いくつかの領域に分けられる。マネジメントの世界ではその領域を、「一般のマネジメント」、「業務領域でのマネジメント」、そして「経営あるいはプロジェクトのマネジメント」という3つに区別している。

 一般のマネジメントとは、リーダーシップ、コミュニケーション力、ネゴシエーション力、問題解決能力、組織への影響力などの能力を意味する。夜ごとの“飲ミニュケーション”も含めて、日本ではこれらの能力がマネジメントのすべてだととらえられている感覚が強い。

 業務領域でのマネジメントとは、特定の業務に精通してチームあるいはグループをマネジメントする能力で、専門特化した業務を行うチームあるいはグループのマネジャーに期待されるものである。

 かつてマネジメントといえば、この2つの領域を指し、マネジャーは2つの領域における能力を備えていればよかった。しかし、本来のマネジメントのあるべき姿からいうと、もう1つ重要な要素がある。それが経営やプロジェクトをマネジメントする能力である。

 この能力とは、経営やプロジェクトをマネジメントするうえで科学的手法を導入し、迅速かつ的確な意思決定を行うもので、本来マネジャー全員が身につけるべきスキルともいわれてきた。

 「日本企業のマネジャーはこの本来持つべきマネジメント能力が欠けており、いまだに経験・勘・度胸に基づいた感覚的なマネジメントを行っている」

 このコメントはおよそ10年前に、ある経営コンサルタントから聞いたものだが、「経験・勘・度胸に頼る時代はもう終わった」という声は当時、経営者からも少なからず上がっていた。

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