アプリケーション配信基盤の仮想化と新製品を推進、日本ラドウェア

日本ラドウェアは、アプリケーション配信コントロール基盤の仮想化ソフトウェアを刷新し、これを採用し2種類のロードバランサー製品を発売した。

» 2012年02月15日 12時35分 公開
[ITmedia]

 日本ラドウェアは2月15日、アプリケーション配信コントロール(ADC)基盤を仮想化する新アーキテクチャに基づいた負荷分散装置の新製品「Alteon5224」および「Alteon1000」を発表した。

 新製品で採用するアーキテクチャを同社は「Virtual Applications Delivery Infrastructure(VADI)」と呼称。1台のサーバハードウェア上にADCの機能を持つ仮想サーバ(vADC)を複数構築するもので、ハードウェアの台数を削減することによるコスト抑制を実現するという。

 今回発表の新製品ではこのアーキテクチャの刷新版「ADC Fabric (VADI 2.0)」を採用する。VADI 2.0では企業が導入しているアプリケーションの特性に応じて最適なADCの設定をvADCに適用できるようにした。「AppShape」というテンプレートを用いてこの設定を用意に適用できるという。また、アプリケーションごとに規定されているサービス保証水準を満たすよう通信の増加に応じてvADCを追加できる。vADCごとの稼働状況の監視・管理がVMwareやRed Hatの管理ツール上からも行えるとしている。

VADIのイメージ

 新製品のAlteon5224は対応可能な通信帯域が1〜16Gbps、vADCを24台まで構築できる。Alteon10000は20〜80Gbpsに対応し、最大480台のvADCを構築できるハイエンドモデル。特にAlteon5224ではユーザーが使用する通信帯域に応じたライセンスが提供され、最低1Gbpsから購入できる。初期費用を抑え、通信帯域が広がれば追加コストを支払うだけで対応できる拡張性が特徴とのことだ。

Alteon5224の製品概要
Alteon10000の製品概要

 このほかvADCを単体で利用できるソフトウェア製品「Alteon VA」も提供。同ソフトは、VMwareやKVM、Xen(オープンソース版)、Hype-Vの仮想化ソフト基盤上で動作する。Alteon5224と同様のライセンスになり、最小10Mbpsから購入できる(最大1Gpps)。

 会見したRadwareの最高技術責任者アヴィ・チェスラ氏は、「新アーキテクチャはデータセンター内のADC装置の集約をしてコスト削減を支援するだけでなく、AppShapeの利用でvADCの運用性を大幅に向上させる」と述べた。

 Alteon5224およびAlteon10000、Alteon VAなどのソフトウェアは既に出荷を開始している。ただしAlteon10000でvADCを上限数まで利用する場合には4月以降に予定するOSのアップデートが必要となる。

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