中堅企業向け会計システムなどを機能強化 月額利用も可能に 富士通マーケティング

富士通と富士通マーケティングは、中堅企業向けの会計システム「GLOVIA smart 会計」および人事給与システム「GLOVIA smart 人事給与」の機能強化を発表した。

» 2012年03月06日 21時46分 公開
[伏見学,ITmedia]

 富士通および富士通マーケティングは3月6日、中堅企業向けの会計システム「GLOVIA smart 会計」と人事給与システム「GLOVIA smart 人事給与」の機能を強化したと発表した。2012年6月末から提供を開始する。幅広いユーザーニーズに応えるため、新たに月額利用が可能なクラウド形態でも提供する。

 GLOVIA smartシリーズは、主に年商30億〜300億円規模の中堅企業向け統合ソリューションで、富士通製のデータベースや帳票印刷ツール、データ管理ツールなどをパッケージとして組み込んだ形で提供される。現在までにsmart 会計および人事給与は累計で約7000サイトへの導入実績がある。

 新版のsmart 会計は、ユーザーの使い勝手の良さを強化。会計システムを経理以外の社員でも活用できるようにするためユーザーライセンス制を廃止したほか、財務会計と管理会計を一元化して富士通独自の会計専用データウェアハウス「FDWH」に統合した。これによって、企業の経営者や経理部門だけでなく全社員が同じ経営情報を共有できるようになり、それを基にしたデータ分析や確認、迅速な課題解決やリスク対策が可能になった。

富士通マーケティング ソリューション事業本部の石川博章氏 富士通マーケティング ソリューション事業本部の石川博章氏

 富士通マーケティング ソリューション事業本部 GLOVIA smart事業部 共通業務ソリューション部長の石川博章氏は「会計システムを介して現場と経営トップが親密なコミュニケーションをとれるよう、全社員にどんどん活用してもらいたい。もはや経理だけが使う部門用システムではない」と説明した。

 ただし、現場の社員が活用するためには、操作が分かりやすく、運用が容易なシステムが求められる。smart 会計では、システムのインストール作業を負荷軽減するために、マイクロソフトの「スマートクライアント技術」(リッチクライアント)を採用。簡単にセットアップが可能で、すぐに取り出したい情報を得ることができるようになった。

 smart 会計はIFRSにも対応。独自の仕訳生成エンジン機能によって、日本基準とIFRSの仕訳を同時に自動生成し、将来のIFRS適用に備えた対応を実現した。

 smart 人事給与は、中堅企業においても分社化やM&Aなどによって複数の企業体になるケースが増えていることから、グループ企業の人材管理を強化。社員情報の一元管理や企業横断の人材検索が可能になるほか、給与計算処理や年末調整などの一括処理機能を提供して人事総務部門の業務集約による省力化と業務効率化を支援する。

 提供形態は、従来からのオンプレミス型に加えて、IaaSサービスを活用したクラウド型も用意する。IaaSサービスは、主に富士通マーケティング、富士通(FGCP/S5)、パートナー企業のIDCセンターを選択できる。

 smart 会計の価格は、一括導入が150万円(税別)から、月額利用が5万5000円(同)から。smart 人事給与は、一括導入が130万円(同)から、月額利用が4万7700円(同)から。なお、ハードウェア、システム導入関連費、IaaSサービス利用費を含まない。同社では、今後3年間で両製品合わせて2000社への導入を目指す。

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